居酒屋チェーンのモンテローザが、この夏にかけて大掛かりなレシピコンテストを開催しました。特設サイトにレシピを投稿し、「食べてみたい料理」をクリックしてもらうという一見今ドキのキャンペーンですが、実際に居酒屋のメニューとして採用された場合には、最大売上げの10%をレシピ考案者に還元するというネットとリアルを繋いだかなり秀逸なしかけです。
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モンテローザがおかず日本一決定戦!?
白木屋、笑笑、魚民などの外食事業を展開する株式会社モンテローザが、チェーン店1900店舗の達成記念キャンペーンを実施中です。「感謝の気持ちを、ニッポンの力に。」をテーマにした「センキュー!エブリワン!キャンペーン」というものですが、2011年6月1日よりスタートし、その第一弾がレシピコンテスト『おかず日本一決定戦 おかずの星』です。大会は3つのステージにわかれていて、6月1日から8月15日までの「応募・推薦ステージ」では応募者が特設サイトからオリジナルレシピを投稿。投稿されたレシピはすべてサイトに掲載され、商品開発委員会によって選ばれた約300品が次の投票ステージに進むことができました。9月1日から30日までの「投票ステージ」ではネットユーザーが食べてみたい料理をクリック。つまり社内のお偉方が選ぶのではなく、あくまでも一般人による公正な審査が行われるわけですね。続いて12月5日から来年3月4日までの「大会ステージ」ではモンテローザが運営する居酒屋などで実際にメニューとして提供され、ランキングが決定するそうです。最終結果でランキング3位までに選ばれたレシピの投稿者には、店舗での売上に応じて最大10%のフィーが支払われるという“新しいしかけ”になっています。
レシピ投稿数は15,666件!…じつはコレが宝の山
先月15日に締め切られた「おかずの投稿」ですが、なんと!応募総数は15,666点にも登りました。ここから社内の商品開発委員会によって約300点に絞られてから、いよいよ投票が始まったわけですが、商品開発の側から見れば、この15,666点のアイデアは価値がありますよね。たとえば、有名店のシェフなどプロにプロデュースでもしてもらえば、かなりの金額を請求されることでしょうが「コンテストというしかけ」を作ったことで、多額の投資をすることもなくアイデアを集められた、ということになります。また、プロとは違う素人の発想でレシピを編み出している点も面白いですし、何気にお客様の「食べたいもの」を調査しているような側面もありますから、ここに集まったアイデアは、活かし方によっては宝の山となることでしょう。みなさんが思い思いに付けた料理のネーミングセンスを見ているだけでも、結構楽しめます(*^^)v また、告知の仕方によっては、ここから「今夜のおかず」のヒントをもらおうと、何度もサイトを訪れるリピーターを増やすことも可能だと思います。
年収超えの賞金も夢じゃない!? 顧客を「身内感覚」にする絶妙なしかけ
さらに面白いのが第三ステージです。応募・推薦ステージで選ばれた「ベスト10メニュー」を、モンテローザが運営する居酒屋など約1100店舗以上で実際に販売してみようというのです。これまでは「ネット」の世界だった企画が、急に「リアル」の世界にやってくるわけですね。それぞれは3ヶ月間提供され、その期間中に売れた数を集計して順位が決定するそうですが、自分が考案したレシピが実際に提供されているとなれば、友達を引き連れて食べにも行くでしょうし、自分が投票したメニューが載っているメニューを見たら、思わず友達にしゃべりたくなりますよね。つまり、顧客を「身内感覚」にする人間心理に精通したかなり秀逸なしかけであると言えます。また、その賞金システムも画期的で、1位には販売期間中の商品売上の10%、第2位には同5%、第3位には同3%がそれぞれ支払われるそうです。仮に500円のメニューが500店舗で1日平均3点売れたとすると、その売上は1日75万円、販売期間を90日とすると6,750万円になります。その10%は・・・なんと!675万円(@_@;) これだけで今の年収を超えてしまう人も少なくないんじゃないでしょうか。こんなふうに、ビジネスの突破口を開くのは常に「アイデア」です。参考にしてください(@^^)/~~~