ユニクロがFacebook上に開設したページへのファン登録数が、昨年(2011年)11月中に全世界で100万人を突破したというニュースをご存じでしょうか?
そのしかけとして秀逸なのは、Facebookと連動した着こなし投稿サイト「UNIQLOOKS」の存在。このユーザーとの交流のセンスには脱帽です。ぜひ参考にしてください。
- 目次 -
多面的に展開するユニクロのネット戦略
今や日本を代表する企業のひとつとなったユニクロは、日本を含めて店舗展開する12カ国・地域のうち、中国を除く国や地域ごとにFacebook専用ページを設けています。昨年(2011年)11月、そのファン数が、全世界で100万人を突破したそうです(@_@;) 100万というのは、かなりインパクトのある数字ですよね。
またFacebookに留まらず、mixiにも交流ページを設けたり、YouTubeでテレビCMが見られるようにするなど、ネット戦略においてできる限りの手を尽くしている点も見逃せません。
中でも感心したのが、やはり昨年2月にオープンしたFacebook連動の着こなし投稿サイト「UNIQLOOKS」の存在です。このサイトは「私はこんな風にユニクロを着こなしてます!」というユーザーからの投稿を写真とともに紹介するというシンプルなつくりになっているのですが、専用アプリを開発し、スマートフォンとの親和性を高めたこともあり、かなりのアクセスを集めているようなのです。
「着こなし自慢」でブランドイメージ向上。自社の「弱み」を「強み」に変える
ひと昔前、若者たちの間では「ユニバレ」などという言葉が使われていたのをご存じでしょうか?
「ユニクロだとバレるとちょっとカッコわるい」といった意味合いで使われていた言葉です。確かにユニクロは買いやすい価格帯+高品質という点では他社の追随を許さないのですが、人と違ったファッションを求める個性の強い若者たちからすると、「あのおばさんと同じTシャツなんてあり得ない!」となるわけです(――;)
そうした事情から、若者たちにとってのユニクロは、インナー専門ブランドと化していったのです。ヒートテックの爆発的なヒットも、こうした消費者心理の延長上にあるのではないかと思われますが、同社としてはファッションメーカーのプライドにかけて、このポジションをなんとか脱却したかったのかもしれませんね。
そこで行き着いたのが、「着こなし自慢」という切り口です。同じ服でも着る人のセンスで全く違ったファッションになる・・・若者たちのおしゃれゴコロを絶妙にくすぐる秀逸なしかけと言えるでしょう。
自社の顧客とどうつながるかが成功のカギ
今、多くの企業が「顧客とのつながり方」を模索しています。右肩上がりの時代には、それなりの商売をしていれば新規客がどんどん増えていきましたが、少子高齢化社会が進むこれからの日本においては、どんな業種・業界であっても「上手な顧客化」ができない企業に明日はありません。
その点、「自分が着るとユニクロもこんなにカッコイイ!」という情報をユーザー自ら発信させるというしかけは、企業と顧客のつながり方としては最高ランクに入るかもしれませんね。自分の着こなしが多くの人の「いいね!」を集めれば、その人はどんどん濃いユニクロのファンになっていくことでしょう。また、「UNIQLOOKS」にさまざまな写真が溜まっていけば、このサイト自体が人気タレントを起用したテレビCMより、何百倍も効果のある宣伝媒体になっていくはずです。
しかも、Facebook、mixi、YouTubeなどは、ほぼ無料で運営できる媒体です。昔のように多額の宣伝広告費を投じなくとも、自社のファンを増やせる時代になったことは、小さな会社にとってありがたい限りです。
この事例を参考に、自社の顧客との新しいつながり方を、あれこれ模索してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~