経営戦略 Vol.80 人件費を下げて「体験を売る」ビジネスが人気。セルフサロン急増中!?

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

 ここ最近、エステやネイルサロン、愛犬シャンプーなどの店舗で、プロの施術師からサービスを受けるのではなく、お客さんが自分の手で行う「セルフサロン」が増えているようです。下がった人件費の分だけリーズナブルなサロンになることはもちろんですが、そこからは「体験を売る」というビジネスの視点が見えてきます。

自分でネイル!? セルフサロン急増中

 これまでプロから施術を受ける場所として存在していたエステやネイルサロンに、「セルフスタイル」のお店が増えてきているのをご存じでしょうか? たとえば、かわいく仕上がる上に持ちがいいと評判の「ジェルネイル」などを、サロンに出向き、自分の手で行うのです。プロのネイリストにやってもらうと1万円前後はかかるようですが、プロ用の道具が準備されたセルフスタイルのサロンでプロの助言を受けながら自分自身で行えば、3000円程度で済むことから人気を呼んでいるようなのです。

 こうしたスタイルは、ネイルサロンばかりではありません。数々の美容器具や化粧品のサンプルを自由に試せるセルフスタイルのエステサロン、愛犬のシャンプーを飼い主の手で行うペットサロンなど、さまざまな分野でセルフスタイルのサロンが登場しています。
 セルフサロンが登場した背景には、もちろん消費の低迷もあるでしょう。昇給もままならず、賞与にも期待できず、可処分所得の増える見込みのない時代には、格安サロンはありがたい存在です。

体験を提供し、消費者の潜在ニーズを満たすサロン

 しかし、セルフサロンがウケている本当の理由は、「前から自分でやってみたかった!」という消費者の潜在的ニーズを満たしたことにあると見るべきでしょう。たとえば、近年話題のジェルネイル。ジェルネイルとは、爪にゲル状の樹脂を塗り、UVライトで硬化させるものですが、マニキュアよりも長持ちし、装着感が軽くて違和感がないという部分から人気を呼んでいるようです。しかし、専用の道具がないと、なかなか自分では上手にできないようで、つまり、自分でやってみたいけど、最初から道具をそろえるのはちょっとハードルが高い、という消費者側の心理があるのです。

 セルフスタイルのサロンは、その“お試し”の場にもなっているわけですね。最初はプロの助言を受けながら試しにやってみる。そして気に入れば自宅用のキットを買うという流れです。その後は「プチスクール」を開催するなどして顧客フォローをし、消耗品を販売し続けられるように工夫すれば、かなりしっかりしたマーケティングロジックとなります。一方、セルフエスは、前から使ってみたかった美容家電や化粧品などを試せる絶好の機会です。
 仮に、各メーカーから試供品を提供してもらえるなら、場所を確保さえすれば手軽に始められるビジネスにもなります。従来型のサロン経営のネックになっていた人件費も、このスタイルなら時間ごとに1~2人いれば十分ですから、発想の転換で、サロン経営が収益性の高いモデルになるでしょう!(^^)!。

「ネタになる体験」こそが価値を持つ時代

 さらにもうひとつ、新製品などを含め「最近話題のもの」をいち早く体験することは、プロのサービスを受けるより、今どきの消費者にとって魅力的に映っているという点も見逃せません。
 たとえば、女性の関心が高いジェルネイルなどは、自分でやったとなれば、 何より“友達に自慢できる体験”となるのです。

 今の時代、ブログやSNSなどで情報発信を続ける人も多いので、こうした「ネタになる体験」こそが、プロによるサービスより価値を持つ時代になったのかもしれませんね(*^^)v
  この事例を参考に、自社の商品やサービスを楽しく「体験」してもらうにはどうすればいいか、そこから自社のビジネスモデルやマーケティングをブラッシュアップできないか・・・あれこれ発想を広げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

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