この連休には、バーベキューなど“アウトドアライフ”を楽しまれた方も多いと思いますが、今やスマホを使えば、どこに居てもピザの出前が頼める時代になりました。今年のお花見シーズンには「花見会場までのデリバリーサービス」を利用した人がかなり増えたようです。これもスマホに搭載されたGPS機能の成せる技ですが、宅配先が「場所」ではなく「人」になったことで、ビジネスの切り口も大きな変化を見せるのではないでしょうか。
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花見しながら「宅配ピザ」!? 今どきのお花見事情
その昔、お花見と言えば、手作りのお重を持ったり、デパ地下などでお惣菜を調達して出かけるものでしたが、最近のお花見事情はかなり変化を遂げているようです。今年、「楽天デリバリー」は大々的にお花見特集を組み、オードブルや寿司、ビールやワインなどを「花見会場」まで宅配できるお店を紹介していました。こんなサービスが可能になったのも、ひとえにスマホに搭載されたGPS機能の成せる技ですが、ドミノピザではサービス開始後約2年で、スマホ経由の注文が累計で10億円を超えたようです。今が勝機と見たのか、同社はスマホサイト限定クーポンで15%割引を実施したり、クレジットカード決済やドコモの機種なら携帯の料金と一緒に支払いができるサービスも取り入れました。もちろん、まだまだ主流のサービスとは言えませんが、楽天リサーチによる調査では「今後、お花見会場でデリバリーサービスを利用してみたい」と答えた人が59.7%に達したそうですから、潜在マーケットはかなり大きそうですね(*^^)v
スマホアプリでタクシーの「場所配」が可能に
もうひとつサービスの形態が大きく変わろうとしているのがタクシー業界です。日本交通は昨年(2011年)1月から、スマホからタクシーが呼べるサービスを開始しました。さらに昨年末からは、各地のタクシー会社と提携し、日本全国スマホ経由でタクシーを呼べるサービスへと拡大して利用者から好評を得ているようです。これもGPS機能の恩恵によるもので、利用者はわざわざタクシー乗り場で並ばなくても、自分のいる場所が「どこでもタクシー乗り場」になるわけです。無料でダウンロードできる「アプリ」を使えば、前もって配車予約を入れていくことも簡単にできます。この日本交通のタクシー配車アプリと全国タクシー配車アプリを合わせると、今年3月時点で35万ダウンロードを突破し、アプリ経由の売上げは3億円を超えたみたいです。同社は「タクシーは拾う時代から選ぶ時代へ」というスローガンを掲げ、他社との差別化を図ろうとしています。
宅配ビジネスは「場所」ではなく「人」を目指して発想せよ!
かつて民間の家にも1個から荷物が届けられるようになった「宅配便」はかなり大きな物流革命でしたが、GPSという技術を取り入れることで、「場所」ではなく「人」にモノが届けられるようになったことには、それを超える衝撃を感じます。飲食のデリバリーのみならず、たとえば重いものを持てなくなった高齢者層へのサービスなど、新しい切り口のビジネスも続々と生まれてくるのではないでしょうか。いつの世も、「技術」は開発者の意図とは別に、それを使う人たちによって思わぬかたちで進化していくものです。この事例を参考に、経営者として自社のビジネスに活かせる技術は世にないか・・・あれこれ発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~