経営戦略 Vol.104 大人進入禁止!? 子どもだけが入れる夢のお菓子屋さん「未来製作所」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

 兵庫県の人気洋菓子店「パティシエ エス コヤマ」が、子どもだけが入れるお菓子屋さんをオープンしました。その小さな入り口をくぐれるのは小学6年生以下だけ。同社は「未来型の駄菓子屋さん」をつくることで、子どもと地域の大人のコミュニケーション復活を目指しているといいますが、企業の「利益還元」のカタチとしてもかなり秀逸なプランではないでしょうか(*^^)v

兵庫県三田市に「お菓子の城」現る!?

 「小山ロール」と呼ばれるロールケーキなどで業界に旋風を巻き起こし続けている人気パティシエ小山進氏率いる「パティシエ エス コヤマ」が、昨年末(2013年12月)、子どもだけが入店できる夢のお菓子やさん「未来製作所」を、兵庫県三田市にオープンしました。入口には「大人進入禁止」の表示板があり、105×60センチの小さな扉をくぐれるのは、小学6年生以下と決められているのです。オープン初日には150人以上の子どもたちが列をなしてにぎわったようですが、付添の親たちは待合室で待っているしかないので、店内の様子が気になってしかたがなかったとか…。なにしろ、大人たちに公開されている情報は「1個150円でここでしか買えないお菓子が買える店」ということだけ。背中を丸め、その小さな入り口に頭を突っ込んで、必死に中の様子をうかがうお父さんもいたみたいですよ(笑)。 

また、店舗のデザインもすばらしく、玉子型のドームにチョコチップを貼りつけたようなカラフルさが印象的で、思わずおとぎ話に出てくるお菓子の城をイメージしてしまいます。きっと子どもたちも、そこに来ただけでワクワクしてしまうことでしょう(*^_^*) 

企業の“想い”を伝えるしかけ

ご存じのように、日本のスイーツのレベルの高さはかなりのものですから、とりわけ神戸あたりでは「お菓子屋は美味しくて当たり前」なんです。しかし同店を見ていると、入れる人を“限定”したり、中の様子を“秘密”にしたり・・・という「しかけ」を合わせると、お客さんの興味や関心をここまで刺激できるのだということがよくわかります。

代表の小山氏は、東日本大震災以後「お菓子で日本を元気にする」と公言している人物ですが、今や姿を消した駄菓子屋さんのように、子どもだけで買い物が楽しめる場所を作りたかったこと。また、昔は町中でふつうに見られた光景・・・「ミテミテ!キイテ!」という子どもに、親だけじゃなく隣近所のおじさんおばさんが「ナニナニ?ドンナノ?」と答える風景を取り戻したかったという想いから、このお店をプランしたそうです。小山氏は、「自分が子どものときには、その日あったことを母親や周りの大人に話して育ってきた。それが、大人になって、創造性や発信力につながっていると感じる」と語っていらっしゃいますが、子どもも大人も忙しい現代社会の弊害を、お菓子で解決しようと考えたわけですね!(^^)!

経営者は儲けたお金で何をすべきか

現に、大人が入れないこの店の前では、出てきた子どもを捕まえて「中はどうなってた?」などとう矢継早に質問を浴びせる大人たちが大勢いるようです(@_@。子どもしか体験できない空間をつくることで、大人が子どもの話を真剣に聞こうとする・・・お菓子が自然と“子どもと大人のコミュニケーションの潤滑油”となっているわけです。いずれこのお店は、「お菓子」というものの存在価値を高める役割をも担っていくことででしょう。

もちろん、同社が利益をしっかり出している優良企業だからこそできる展開ではありますが、企業の利益還元のしくみとしても、かなり秀逸だと思いませんか? 会社を経営している以上、しっかり儲けて、業界のため、日本のため、世界のため、地球のためにお金を使えるようになりたいものです。よかったら参考にしてくださ~い(@^^)/~~~

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