今回のコラムでは実際にAR名刺を活用して成功した、大阪府吹田市のゆるキャラの事例を紹介します。
吹田市がAR名刺を使ったプロモーションを仕掛けたところ、「ゆるキャラ®グランプリ」というイベントで、順位が200位→75位と大躍進をとげ、得票数も3,950pt→33,620ptと約10倍という成果を出しました。
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ゆるキャラのプロモーションにAR名刺を活用
近年大活躍のゆるキャラ®ですが、地域活性化のために全国のゆるキャラ®を集めた年に1度のお祭り「ゆるキャラ®グランプリ」はご存じかと思います。
パソコンやスマホなどを利用して人気投票で選出されるわけですが、そのキャラクター自身を露出量や認知度が低ければ、選ばれる確率が低くなります。
そこで、各団体や企業がPRを行うのですが、PRを行うにも先立つものがなければPR活動にも制限がかかります。
大阪府吹田市のゆるキャラ®「すいたん」。がゆるキャラ®グランプリで上位ランキングを狙うために、予算がほとんどない中で白羽の矢を立てたのがAR名刺だったのです。
名刺にスマホをかざすと、すいたんがダンスをしたりコメントを出すと同時に、SNSや関連動画サイトへリンクするアイコンも表示されます。アイコンにタッチすることで、ツイッターやフェイスブックなどでの拡散される仕掛けです。
その結果は・・・
ゆるキャラ®2012年865キャラ→2013年1,580キャラと約2倍の申込にもかかわらず、順位が200位→75位と大躍進をとげ、得票数も3,950pt→33,620ptと約8.5倍と驚きの効果がありました。
ゆるキャラ®グランプリ順位結果(http://www2.yurugp.jp/ranking/)
吹田市役所は「グッズなし、ハッピやノボリもなし、予算もなし、ないないづくしの中で健闘したのはAR名刺のおかげです」「ゆるキャラグランプリ時にはPRグッズ等がなかったすいたんにとって、AR名刺はゆるキャラ(R)グランプリを戦う上で大きな力となりました」とAR名刺を導入することで、周知活動を成功させました。
また、新しい販促手段として注目され、日本経済新聞、大阪日日新聞などマスコミへも取材される機会も増えています。
ARで売り上げを上げる仕掛けづくり
先ほどの例ですが、すいたんというキャラクターがあったからAR名刺がうまくはまったと思われるかもしれません。
人は面白いものや感動や驚きがあった場合、その気持ちを人と分け合いたいものです。名刺通じて、キャラクターがダンスをしたり、コメントで呼びかける仕掛けそのものを面白いと感じて、SNSで拡散させることが手軽できたことが、成功のポイントです。
すいたん自体がマイナーなキャラクター(失礼発言すみません)ですから、キャラクターの力ではなく、仕掛けそのもので効果的に訴求できるツールがAR名刺の強みです。
売上を形成する公式として「売上= 客数 ×単価」があります。
さらに客数は「新規客」「既存客」「離反客」と細分化できます。「新規客」の獲得のためには「知らせる、興味を持たせる、思い出させる」施策が必要です。
すいたんの例では、AR名刺を活用することで「知らせる、興味を持たせる、思い出させる」ことに注力した結果、ゆるキャラ®グランプリで得票数アップに繋がりました。
AR名刺は、ギミックが注目されがちですが、人と人の接点づくりという視点で導線を設計することで売り上げに直結できるツールです。
次回は、さなまざな場面で想定されるAR名刺の活用のヒントを紹介していきます。