英語学習教材のチラシをスポーツ新聞に折り込みするのと、一般新聞に折り込みするのとでは、まるでお客様の反応率が違います。それは誰でもわかります。しかし、そういった媒体を考えない広告が多く配布されています。
これは、広告を作っている側が媒体の属性についてあまり知らない時によく起こっています。社長様も、広報担当者も、関わるマーケッターも、媒体を比較検討することなく広告を出していることがとても多いのです。
これでは、売上を大幅にアップすることができません。まして、少予算で大きな反響を得ることなどできないでしょう。こういったことを解決するには、お客様が反応してくれる広告をつくるだけでなく、媒体選びが重要になってきます。
今回は、媒体選びをする時にチェックする項目についてお伝えします。ぜひ、あなたも媒体選びが上手にできるようになってください。
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広告媒体の選定でやってはいけないこと① 習慣で決めない
さて、あなたは広告を出す時に、何を基準に広告媒体を決めていますか?
私がインタビューした社長様の多くは、「いつも我が社はここに出しているから」、「ここが反応が良いと聞いたから」など、習慣と他人の意見で媒体を決めていました。
これでは集客が上手く行くかどうか、とても怪しいです。
まず、習慣で決めている場合、媒体には流行廃りがあります。過去に流行していた媒体でも、今では、そこにお客様が少なくなっている媒体があります。たとえばラジオしかなかった時代にはラジオの聴衆は多かったでしょうが、今はテレビやインターネットがありますから、ラジオを聴く人は昔よりは少ないですよね。
逆に、過去はお客様が少なかった媒体が今はお客様が多いケースがあります。これは携帯電話広告などが良い例でしょう。数年前までは携帯電話に出せる広告は文字広告だけでした。ですが、今はスタートフォンの普及でフルカラーの画像広告が出せます。そのため、数年前までは女性にしかアプローチできなかったのが、今や老若男女、多くの人が携帯電話広告で集客できるようになっています。ですので、習慣で広告媒体を決めていると思わぬ損をします。
広告媒体の選定でやってはいけないこと② 他人の意見で決めない
また、他人の意見で決めるのも損しやすいです。
まずは、友人知人の意見で決めている場合、その友人だけの意見である可能性が高いということに気が付いてください。
先日も、あるリフォーム会社社長さんが「インターネット広告なんて売上アップにならない」とおっしゃっていました。ですが、世の中にはインターネットだけで売上をアップさせているリフォーム会社が多くあります。
この社長さんの商品構成、また販売方法がインターネットに向かないだけなのですが、この社長さん、売上が半端なく大きいので、周囲の人はこの意見を鵜呑みにしてしまっています。そのため、周囲のリフォーム会社さんは、今でも売上がアップできず苦しんでいます。
このように、規模も違う他人の意見を鵜呑みにしてしまうと、自社に適した広告媒体を使わないという損を犯してしまいますので、ご注意ください。
また、同業他社の批判にもなりかねないのですが、多くのコンサルタントやマーケッターは、どうしても自分の得意分野を売り込む傾向があります。インターネットのホームページが得意ならホームページを。ファイスブックが得意ならフェイスブックを。そうやって得意分野の媒体を薦めているコンサルタントやマーケッターが多いです。
同じコンサルタントとして、コンサル業の集客という点では、「スマホ」、「アプリ」、「ホームページ」、「ファイスブック」と固有名詞にした方が集客が楽ですから、集客用に固有の媒体名を出すことに賛成です。ですが、いったんコンサルティングに入ったら、そのクライアントに適した媒体を選ぶスキルぐらいは持っていてほしいと思います。
先日も「ホームページは24時間働く営業マンですから、ホームページを作り変えれば売れます」と話しているコンサルタントさんを観てしまって、私はドン引きしました。今の時代、ホームページを作り変えただけでは売上アップはできません。こんな昔の営業トークが、今も話していることに苦笑しかできませんでした。
広告媒体は、顧客属性とマーケットの規模をリサーチして判断すべき
では、習慣と他人の意見でなく、何を考えて媒体を選んだら良いのかというと、それは、お客様の属性と媒体が保有するマーケットの規模です。
顧客属性というのは、あなたの商品を喜んで買ってくれるお客様はどんな人であるかという項目チェックです。
性別・住所・年収・職業などが一般的ですが、これに、家族構成・趣味・業態などの項目を必要なだけ付け加えていきます。そうして、最終的には一人の人物像を作り上げます。私が顧客属性を決める場合、分類項目は最低50項目以上になります。そのぐらいして一人に絞り込みます。まるで映画の登場人物を作り出すように性格や志向や嗜好が見えるまで項目を付け加えるのです。
こうやって一人に絞り込むことにより、お客様の365日24時間の行動が予想できます。そうなれば、アプローチできる媒体が正確にいくつも見えてきます。その媒体に集まるお客様の欲望や価値観、その媒体に期待する情報を考えて広告が作れます。そうして、広告媒体がわかれば、媒体の規模から媒体が保有するあなたのマーケットの規模も予想できます。
ですから、お客様の属性と媒体が保有するマーケットの規模は、ちゃんとリサーチしてください。営業マンやコンサルタントの言うことを鵜呑みにせず、「あそこが良い」、「こうしなさい」と言われても、外部から証拠を集めて判断しましょう。
また、少資本、少人数で経営している会社の社長さんは、これに資金や手間のかかり方もプラスしてください。
先ほどのインターネット広告を否定していたリフォーム会社の社長さんは、銀座や六本木に月に10回以上のみに行きます。飲みに行くと一回30万円以上使います。所属団体への会費だけで月間100万円以上かけています。他にもお金をかけたお付き合いをたっぷりしています。そこから仕事の注文をもらっています。なので、ホームページは旧態依然のホームページですし、ホームページを観てもらう対策もしていません。観てもらわなくても売上が上がるのです。
彼と同じだけの資金があれば、インターネットで集客しなくても良いですが、月400万円かけるなら、インターネット広告で売上アップさせる方が資金も手間も少なくて簡単です。
小さな会社は、この資金と手間も考えないと、広告を出すと決めても、日々の業務が忙しく結局何もしないままになってしまう。または、資金が枯渇して続かないという結果になります。あなたの仕事は多くの人の生活を支えています。ですから、ぜひ、この資金と手間も考えて広告を作ってくださいね。
では、次回は広告媒体の種類について書きますので、お楽しみに。