集客や売上アップのコンサルティングをさせていただいていると、よく「我が社の商品は他と同じ商品なんです」、「競合と差別化できないんです」、「我が社にウリはあるんでしょうか?」と質問されます。
そこで私は「お客様がいらっしゃるのにウリがないわけがないでしょう。絶対にあります。」とお答えすると、全員が「ありますか!」と顔をほころばせます。
商品の差別化でお悩みの経営者の皆様。ご安心ください。絶対にウリはあります。差別化できます。ただ、大企業と同じ方法ではできないだけです。
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中小企業が商品の差別化する際の大前提は「バランス」
競合と差別化しようとするあまり競合他社と同じようなウリ(USP)になっていらっしゃる会社をみかけます。競合と同じ土俵で同じウリで売っていくのは大変ですよね。そこで、少しでも差別化しようとして、安売り競争になってしまう会社をみかけるたびに、コンサルタントとしては心が痛みます。
「利益は少なくなってしまうよね」、「従業員の給与もあるのに・・・」、「安くしてもクレームは来るのよね」、「他の点で差別化しないと、集客が大変な上に儲けが少ないよね」、「だから、コンサルタントつけようよ」と他人の会社なのに気になってしかたありません。
できるなら競合と違うウリを作りたいと思っても、考えつかない苦しさもよく理解できます。しかし、なんとか競合とは差別化しなければお客様を取られてしまいますから、どうしても競合と差別化したウリをみつけたいですよね。
そこで、私が現場から創りだした中小企業用の選ばれる理由の作り方を紹介いたします。短期間で売上をアップさせる社長が無意識に使っている方法です。これで作れば小学生だって自分が付き合う社を選ぶことができます。
しかし、そのためには、商品・顧客・自社のバランスが取れていることが大前提になります。このバランスが取れていると、絶対にお客様ができます。
私がセミナーで売れない例え話に使うのが、以下の3つ。
商品:亀の子タワシ100円(ゴシゴシ洗えます)、顧客:富裕層、自社:創業1年目の花屋。
商品:自家用ジェット、顧客:富裕層、自社:何着ても安物に観える社長。
商品:自家用ジェット、顧客:園芸家、自社:創業1年目の花屋。
どれも競合他社との差別化はできていますが、これでは売るのに苦労しそうですよね。これは極端な例ですが、商品も顧客も自社もバラバラです。創業1年目の花屋が富裕層向けに100円のタワシを売るなんて、ビジネスとしてどう見てもおかしいですものね。
こういった間違って差別化したものを、ウリとして打ち出してしまう社長さんは多いです。
とくに、インスピレーションで動くクリエータータイプの社長さんは要注意です。
間違った差別化をしない実務家の社長は、今度はアイデアが浮かばないで悩むことが多いですね。頭に浮かぶ切り口が、よくある切り口になってしまい差別化できないのです。 でも、どちらの社長様も、もっと集客したいので“差別化したウリが欲しい”と考えていることは同じです。
そこで、私がお薦めしているのは、商品・顧客・自社の各項目の中をキーワード化して書き出し、各項目を組み合わせて差別化できて売れるウリを作る方法です。
たとえば、先ほどの売れない組み合わせ3例、一部を直すと売れそうになります。
商品:亀の子タワシ100円(ゴシゴシ洗えます)、顧客:富裕層、自社:創業1年目の花屋。
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商品:亀の子タワシ100円(ゴシゴシ洗えます)、顧客:園芸家、自社:創業1年目の花屋。
なら、前よりは売れそうですよね。
商品:自家用ジェット、顧客:富裕層、自社:何を着ても安物に観える社長。
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商品:自家用ジェット、顧客:富裕層、自社:何を着ても高級品に観える社長。
なら、交渉の余地ありそうですよね。
商品:自家用ジェット、顧客:園芸家、自社:創業1年目の花屋。
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商品:撒くだけで花の色付きが良い肥料、顧客:園芸家、自社:創業1年目の花屋。
このほうが売れるのは当たり前ですよね。
差別化するためのキーワードの出し方。
さて、ここまでだと組み合わせは良くても差別化したウリはできていません。
では、差別化できるウリが作れる組み合わせにするには、どうしたら良いかというと、キーワードの出し方がキーになります。
でも、キーワードを出してほしいというと、商品の特徴は多すぎるぐらい出るのに、顧客の特徴はまるで判を押したように、性別、年齢、収入、地域、趣味ぐらいまでしか出てきません。「顧客管理をしっかりしています」、「顧客を区別しています」という社長さんでも、ここまでのことが多いです。
すみません。そんな情報だけではキーワード化しても差別化できません。
顧客をキーワード化するのに、性別、年齢、収入、地域、趣味などは最低限の情報であって、それではお客様の365日、24時間が思い浮かばないし、そのお客様の怒りや悲しみ、喜びや欲望が観えてこないので、差別化できるウリがつくれないのです。
よく顧客像は一人に絞れといわれるのは、お客様の365日、24時間の行動と怒りや悲しみ、喜びや欲望をみつけるためです。
そこをキーワードにしないと差別化ができません。
よくUSP(ウリ)の見本として、「30分でお届け。30分超えたら返金します」というピザの宣伝が使われますが、そこには、あなたが予想する家族でなく、味なんかどうでも良いから1分でも早く食事を食べたい。しかも、自室から出ることが苦痛という超ニッチなお客様がいました。
1分でも早く食事がしたい。そうして自室から出たくないお客様。このターゲットに向かって「30分でお届け。30分超えたら返金します」と宣伝したからバカ売れしたのです。
顧客の項目をキーワード化するには、こういったお客様の感情や状態に意識をむけないといけません。つまり、顧客視点になりきらないといけないのです。
この顧客の項目のキーワード化ができる社長さんは、売上をつくるのが本当に上手です。 なぜなら、商品の特徴が10あって、顧客対象が10あって、自社の特徴が10あれば、組み合わせれば1000。1000の組み合わせの中には、差別化できて「お!これはすごく売れそう!」という組み合わせが絶対に見つかるのです。
差別化してウリができれば、お客様はあなたの会社を選びやすくなります。
ですので、差別化と同時にウリが作れるこの方法で、早速あなたの商品や会社のUSP(ウリ)を使ってみてくださいね。