1原稿7日間から10日間程度で制作。小さな原稿ひとつ一つにさまざまな知恵を凝縮。各プロセスをしっかりと踏むことで 有益な情報を発信していきましょう。
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【制作プロセスの実際】
1 ヒヤリング
経営状況の把握、強み、弱みを把握をします。営業担当がこのプロセスをしっかりと行うことが、原稿制作上非常に重要になってきま す。クリエイティブスタッフと連携する場合は、制作スタッフへしっかりと制作オリエンテーションできるかが、顧客満足度に影響すると同時に原稿制作時の修 正回数の軽減につながります。
2 プロモートポイント・バイイングポイントの設定
ヒヤリングした顧客の状況を踏まえて、外的要 因(競合、時流、業界における顧客の利用動向)を加味し、ウリを設定します。広告集合モデルの場合、選ばれる「差」を航行上表現できなければ、読者にとっ ては選ぶべき理由がないということになってしまいます。ここで注意したいのは、広告クライアントに取っての「ウリ」を読者にとっての「買い」に変換するこ とが大切です。基本的には機能的な側面、情緒的な側面双方で検討し、ベネフィットを明確にします。
3 広告原稿用の素材収集
顧客 と制作打ち合わせおよび、営業担当からの提案島で決定した「プロモートポイント・バイイングポイント」を実際に広告上で表現していく上での、モチーフ、コ ピー、文章を開発していきます。写真撮影を行いその広告主の価値を一番表現できる写真を撮影します。顧客が保有している写真素材で表現できるケースや制作 予算に応じて写真を借りる場合もあります。事前に広告カンプを制作し イメージの合意をトルカ、デザインテンプレートや他社の事例を組み合わせて顧客と合意を形成することも大切です。
4 原稿登録・原稿制作
素材が集まった段階で、実際の広告原稿を作成していきます。あらかじめ枠取りをして紙面のスペースを押さえておきそのコーナー別に設定されているデザイン に写真や文章を流し込んでいきます。システムで制作する際はデザインのレイアウトパターンがあり、その中からパターンを選び文章や写真サイズを決定し、そ れに沿って制作します。システムで制作しないページや、レイアウトはデザイナー・編集スタッフが都度都度に制作する企画ページなどは、社内で制作打ち合わ せを行い初稿を制作します。
5 原稿校正
伝えたい情報の優先順位が最適か? わかりやすく、見やすい情報になっているか? 誤植がないか? 表現規定に反していないか?
などをまず顧客と原稿のやりとりをする担当がチェックをします。その上で顧客に原稿を提出します。 ヒヤリングでうけた内容をどのように工夫し表現したかを簡単にプレゼンテーションし内容の確認を取ります。実際に顧客から原稿内容の了承を受けて、校正紙 に校了印をもらいます。
6 審査・校正
顧客から校了された原稿を審査、校閲にまわします。表現や表記が適切か? 事実関係に相違などを第三者がチェックします。そこで修正指示があった場合、原稿に修正を加えます。媒体によってはこのプロセスを事前にしたり、事前項目 と事後項目に区分したり雑誌発行後の事後審査で次回以降の修正にする等、いろいろなケースがあります。基本的に事前に高いレベルで審査・校閲を行っていく ことが品質管理上重要です。
7 ページアップ・入稿
ひとつ一つの原稿を最後にページに貼り付けていきます。原稿の枠取りをした 段階で、ページ割りとページごとのコマ割を作成します。
その台割に沿って、審査・校閲が完了した原稿を貼り付けていき、ここで初めて雑誌らしい形 式になり、印刷業者へデータを入稿します。
【用意しておきたい制作準備物】
・ページ構成表・・・・・・雑誌全体のページ構成を一 覧できる表やページ割りのイメージ図
・広告掲載規定・・・・・・広告掲載できる業種や職種などのルールを記載したもの
・表現規 定・・・・・・・・・・文章表現の規定とビジュアル表現の規定を定めたもの
・企画別掲載規定・・・・編集コーナー個別の掲載規定管理に使用する編 集規定
・スケジュール表・・・・・ヒアリングから校了、発行までの流れをステップで見せる表
・取材シート・・・・・・・・・原稿制作上、 統一表記すべき内容などを取材する際に使用するシート
・台割・・・・・・・・・・・・・・ひとつ一つの広告をどの部分に掲載するか指示する雑誌全 体の割り付け図
制作する上で考えていきたいキーワード「何をもって良いフリーマ ガジンなのか?」
フリーマガジンの制作についてお話ししてきましたが、これは1つの基本的なやり方です。フリーマガジンにおけるより良 い制作プロセスはそのフリーマガジンの目指すところに寄与します。
フリーマガジンの原価は印刷費、流通費、制作費の3つです。収益を出していく 上でいい加味を使用して、大量の部数を刷って、いい場所に雑誌を設置して、制作も費用を掛けて、本当にいいフリーマガジンを作りたいという葛藤は作り手と しては、考えたくなる点です。しかし、何を持っていいフリーマガジンなのか? 自分の媒体における良質なクオリティとは何なのか?を考えた際に、単に、発想としては制作費を抑えればいいとか、逆に制作を合理化、効率化すればいいとい う絶対的な答えは存在しません。どのような制作をすることが顧客満足度向上に寄与するのかという基本的部分を忘れずに独自性のある制作プロセスを構築して いくことが大切です。