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新聞広告は今変わっている。
新聞といっても、全国紙(いわゆ る朝日新聞とか、読売新聞とか)もあれば、ブロック紙とよばれるある特定の地域に強い新聞(東海地方の中日新聞とか、北海道の北海道新聞、九州地方の西日 本新聞など)、専門紙(経済に強い日経新聞など)、業界紙(日本工業新聞、建通新聞、日刊自動車新聞など)、スポーツ紙まで幅広いモノがあります。
もともと、新聞広告というのは「商品説明」に向いた広告媒体といわれてきました。それに対して、テレビCMやラジオCMは「知名度UP」、雑誌広告は「美 しさ」を訴求するのに適切なマス媒体として広告表現内容の棲み分けがありました。
しかし、インターネットが普及し、消費者が商品やサービ スの詳細な情報をweb経由で獲得するのが一般化すると、新聞広告がもっていた表現の独自性も少しずつ変わってきたようです。また、新聞自身の印刷技術も 進化し、雑誌のグラビアには届きませんが、素晴らしいカラーでの広告原稿も増えてきました。
では、今の新聞を使った広告戦略とは、どんな ところにあるのか。それは、新聞(新聞社)自身が持つ「信頼性」や「デイリー性」を活かしたニュースな情報力を訴える戦略に向いている媒体である一方、 webへの誘導のためにもっとも有効な「価格訴求型」の戦略にも使用されています。
ブランドジャーナリズムという信頼性と価格という魔力
前者のニュースな情報力を訴える戦略と は、ブランドジャーナリズム型とも呼ばれています。商品やサービスの情報を伝えるだけでなく、その情報自体にニュース性があるように表現し てコミュニケーションを図る、まさに新聞ならではの広告といえます。最近では、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)に留意したコーポレートブランド広告も多く見られるようになっています。また、IR広告 として、株主をはじめ多くのステークホルダー向けの広告も盛んになってきました。
信頼性による広告表現と対極をなすのが、「価格訴求型」 の広告です。パソコンやサーバーなどの電子機器、個人向け旅行商品などがその代表例でしょう。特に価格の差別化を行い、商品の情報はwebまでという今ま で新聞広告が負ってきた役割を限定した分野(価格の提示)に集中して告知する表現ができるようになってきたのも、最近の新聞広告の変化です。
【実例】新聞広告はこんな使い方もあるんだ
これは筆者が以前担当していた建設機器リース会社 の実例です。ここの社長は、裸一貫からリース会社を立ち上げた起業家で、いわゆる現場上がりの経営者であった。そういう経緯の社長に多いのですが、媒体特 性がどうのこうの、リーチがどうのこうのといった細かなこと(本当はある意味重要なことなのだが)は聞く耳持たずで、それよりも自分の直感とか、周りの人 からの声を広告に活かすタイプの方でした。この社長さんが自信を持って行っていたのが新聞広告だったのです。