- 目次 -
そもそもプレスリリースって何?
一度は誰もが耳にしたことがある言葉「プレスリリース」、報道向け 配布資料とでも訳したらいいのでしょうか。新製品や新サービス、会社の合併や設立、最近はお詫び、陳謝といった企業発の情報を一方的に報道各社へ通達する 資料のことです。
古くは、郵送、FAX、自治体などの庁舎内にある報道機関向けのボックスへの投げ込みなどが主流でしたが、今はインター ネットを利用したメールリリースもあるようです。でもやはり何といっても、チカラを発揮するのは郵送による資料提供のようです。
また、プ レスリリースで表現できる情報は、企業側からの情報であるとともに、その情報が消費者にとって利益があるか、もしくは情報提供先の報道機関が興味を持つ か、といった2面性をもつものでなければなりません。実はそこがこのプレスリリースを作成するポイントなのです。
広告とプレスリリースの違い
プレスリリースは、広告ではありません。大きな相違点は、お金 がかからないということです。広告なら、広告スペースの対価として必要になるコストも、プレスリリースに代表されるパブリシティには必要ありません。プレ スリリースは、創業時のお金がないときや、経営基盤の小さい中小企業にはもってこいなPR策なのです。でも、なかなかうまく活用されていないのも事実で す。その理由は、「プレスリリースなんて、どうせ取り上げられないよ」とか、「送ったって、いつ取り上げられるか分からないよ」なんて、最初から悲観的か つ消極的な考えを持つ企業が多いからです。確かに、新商品や店舗のオープンといった時期が限られている案件については使い勝手は悪いかもしれません。しか し、お金をかけて行う広告とセットでプレスリリースを使うといった戦略ならどうでしょう。広告とは違った反響があると思いますよ。
実際、 私の知っている陶磁器メーカーはプレスリリースをうまく使い、自社製品のPRを行っています。新製品を市場には出したが、なかなか売り上げが伸びなかった ときに、プレスリリースとして商品を添えて、いろいろなマスコミに郵送しました。すると、ある著名な料理研究家のもとにその商品がわたり、あれよあれよと いうまにテレビ、それも全国的に影響力のある料理番組に登場したのです。するといきなり注文の山、陶器ですので、今日明日には作れるものではなく、ずいぶ んと受注ロスがあったみたいですが、今でも売れている息の長いヒット商品になっています。
そのようなことがあって以来、その企業では新し い商品を開発、市場に出すときは必ずプレスリリースを行っています。取り上げられたり、取り上げられなかったりしますが、続けることで確実に取り上げられ る機会が増えてきているようです。プレスリリースは企業側からの一方的な情報提供です。だからこそ、くどいくらいに何かある度に送り続けることこそ、プレ スリリースとして取り上げられる一番の近道なのです。機会はチャンスを作るといったところでしょうか。
消費者にとってみると、企業からの 押し付け広告ではなく、マスコミといっためがねを通しての情報ということで、ニュートラルな気持ちで接することができます。余分な先入観なしに、薦められ るとつい試したくなる、そんな心理的な過程を活かすのがプレスリリースの効用なのです。
プレスリリースの作り方
では、具体的にプレスリリースは、どのような風に作ればいいの か。これはフォーマットがあるわけではありません。その商品やサービスがいかに消費者にとってメリットのあるものか、市場にないような“初モノ”なのかと いった点が取り上げられる基準につながってくると思いますが、多くがそのような商品やサービスばかりではありませんよね。だったら、そんな風に思わせる材 料を詰め込むことが必要です。
例えば、データを示す資料とか、商品を使った人を撮影した写真であるとか、報道機関の担当者が、ムムッと興 味を引くような記事にしやすいような情報をとりあえず入れ込むことです。まず興味を持ってもらわないと進まないわけですから。
そして、基 本的な内容も忘れずに入れる。いわゆる5W2Hという情報です。
1.報道資料であることの明記(プレスリリースといった言葉をレターヘッド に入れる)
2.発信した日時
3.企業名
4.所在地
5.タイトル/商品・サービス名含む
6. リード文(あまり長くならないように。詳細は別途記者からの取材などがあります)
7.本文
8.担当者名(これは重要!部署名 までかならず入れること、できたら2名がいい)
9.連絡先(電話、FAX、メールアドレス)
10.参考資料(データ、写真、 イラストなど、メディアもデジタル化したものがベスト)
以上の内容を、A4サイズ片面、すこし厚めの紙にして2~3枚(参考資料は別)にま とめる。何しろ手に取っていただいただけで、これは何かあるぞといったことを思わせる手触り感が重要です。
また、送っても問題のないよう な品だったら、現物を織り込むというのも手です。特に、テレビなどは動く映像がないと実際にはニュースや番組内で使ってもらえないので、DVDやビデオ テープにして送付することも考えましょう。
プレゼントで引き付けろ
あと、プレゼント企画を付け加えるのもいいアイデアです。飲食店で、テレビ番組で取り上げられた放映後に「ペアで10組のディナー券プレゼント」なんてあ りますが、実はプレスリリースが元になっているモノもよくあります。地方のテレビ局などはどうしても取材能力が限られていますので、そういった持ち込みネ タは大歓迎の放送局もあります。特に地方にお住まいの方はお試しください。