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ドラマこそ、ストーリーのそのもの だ
先日、野村総合研究所というコンサルティ ング会社が、フジテレビ系列で1995年に放映された「王様のレストラン」という連続テレビドラマを人事系のコンサルティングの素材として利用すると発表 しました。リリース資料を見ると、「テレビドラマの視聴を通じて、『照れや遠慮』を乗り越える劇的対話体験プログラム」と紹介されています。
ご存じの方も多いと思いますが、この「王様のレストラン」は今や ひっぱりだこの演出・脚本家の三谷幸喜さんの作品です。松本幸四郎さんを主役に、街の普通のレストランを舞台にした、コメディタッチで再生する企業(レス トラン)をテーマに描かれたドラマで、当時はずいぶん視聴率もよく、私も見ていましたが、とても面白かったと記憶しています。
どうして、10年以上も前のドラマがコンサルティングのツールとして 使われるようになったのか?リリースには上質な対話がそこにあるからといったようなコメントもありましたが、私が思うにコンサルティングを受ける側にドラ マを通じて伝わる内容=ストーリーが、ただ単なるケーススタディよりも濃いからではないでしょうか。
もともとドラマは、ストーリーを伝えることが基本ですし、巧妙なドラマにはストーリーが伏線化されていたり して、見ている側も意識することなくドラマの設定に惹きこまれたりするんですよね。
製品やサービスにドラマがあるか?
皆さんの製品やサービスにドラマはありますか?よくユーザーとコミュニケーションするためにはストーリーが必要だと言われま すけど、本当は単純なストーリーだけではダメなんですよね。そこにドラマがないと!
ではドラマはどうしたら作れるのか?事業そのものは、小説や映画のよ うなフィクションではありません。そこに嘘や、やらせがあってはいけません。ユーザーには正直に伝えなくてはならないですが、あるポイントを抜き出したり して、演出をくわえることは可能です。例えば、実名を出すとか。会社が作ったと言うよりも、製造課2課の学校を卒業してまだ半年しか経っていない○○君が 作ったというほうが伝わりやすいし、そこからドラマがスタートする予感も与えてくれます。
製品やサービスの伝えたいところだけ伝えるコミュニケーションではなく、その周辺部をいかにしてドラマ化して伝 えることができるかが重要なのです。