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リアルな臨場感のポイントはVAKモデル
私 たちは、日常さまざまな広告や宣伝を目にしています。
テレビ、新聞、雑誌などの広告の他、ラジオのコマーシャルやタイアップの放送、折り 込みちらし、ポスティング、街で手渡され配られるチラシ、自宅のポストにはダイレクトメール、電車の車内広告、街で見かける看板、パソコンを開きインター ネットにつなげば、業種と規模を問わず、そこはもうありとあらゆるの会社の広告の洪水のように存在しています。
数えたことはありません が、数ある広告のうち、覚えておける広告はいったいどれだけだろうと不思議に思うほど大量の広告が世の中に存在していることは確かです。
それほど大量の広告を目にしながらも、私たちは自分にとって必要な内容の広告、興味のある広告を見つけ出す事ができます。
それはまるで、 必要な情報を見つけるためのセンサーを持っているかのようです。
そうして見込み客に気にしてもらうことができた広告のな かでも、さらに欲求を駆り立てるものとそうでないものがあります。
いい広告は、内容の細かい部分まで工夫されているものが多いものです。
その一つが表現です。
人は、視覚(Visual)、聴覚(Auditory)、触覚(Kinesthetic)、嗅覚 (Olfactory)、味覚(Gustatory)の5つの感覚で物事を認知し、想像し、表現しています。
ですから、人に何かを伝える にはこの5つの感覚を使う表現が含まれるのが理想です。
この感覚を使った表現は、それぞれの英語での頭文字をとって、VAKOGモデルなど と言われたり、触覚、嗅覚、味覚の3つの感覚をすべて体感覚(Kinesthetic)におきかえて、VAKモデルと言われることもあります。
丁寧に作られた広告には、このVAKを刺激する要素がちりばめられており、それらにはより臨場感のある見せ方、実感をともなって受け取ってもらう工夫がさ れているのです。
バランスよく五感に訴える工夫を
例えばビールの宣伝。
今にもこぼれ落ちそうなしずくをグラスいっぱいにつけた映像(V)は、とてもよく冷えた(K)ビールだと分かりま す。
そして、プシュッ、シュワーッと泡の出る音、焼肉のジュウッっという音(A)、ゴクッと飲み干す音(A)、そしてビールを飲んだ後に は「あーっ」という声(A)と共に、満足そうにしている表情(V)、「うまい!」の一言(K)、こんな具合です。
車であれば、美しいス タイリングの映像(V)、エンジン音(A)やバタンと閉まる重厚感あふれるドアの音(A)(K)、滑らかな質感あふれるシート(K)など、やはりVAKが たくみに取り入れられています。
テレビのコマーシャルだけでなく、紙で印刷された宣伝媒体であっても、限られた表現手段 のなかでも五感をフルに使って伝えようという工夫が見られます。(ちなみに人間が文字を読む際には、無意識に音読しているケースが多いので、主に聴覚を使 うと言われています)
ものによってはダイレクトメールにサンプルを同封したりなど、反応を高めるためによりリアリティを高める努力がされ ているのです。
一説には、人それぞれに好んで使う感覚に偏りがあり、視覚優位な人、聴覚優位な人、体感覚優位な人なども いるとされています。
また、日本人は視覚優位なタイプが多いとか、意思決定を行うプロセスに、この五感の組み合わせ順番、パターンがある などと言われてもいます。これについては、またお話しする機会があるかもしれませんが、少なくとも宣伝をする側は五感をバランスよく使って広告表現をする ようにした方がよさそうです。
より説得力のあるマーケティングツールを作るために、五感表現を意識的に使ってみてはいかがでしょうか?