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見込み客は本当はどう思っているか
ある通販をしている会社 がサンプル請求の低さに悩んでいました。商品には自信があるので、一度使ってもらえば必ず気に入ってもらえるというのですが、実際は手にとってもらうまで が大変なのです。新規客をサンプルで集めるにも、新たな広告をうつほどの予算がありません。
そこで、既存客に友達を紹介してもらうという キャンペーンなら、新たに広告を打つよりは小予算で出来るだろうということで、紹介キャンペーンを何度か行っていました。しかし、紹介キャンペーンも思っ たほどは伸びません。確かに紹介してくれる人はしてくれるのですが、それでも思うような成果が上がらないでいました。
実 は、これにはもっともな理由があります。
誰でも友達にどう思われるだろうと気になるのです。
友達を売ったような 気持ちになるという人も少なくありません。
そこで、紹介者にはお礼もするし、紹介された友達にも得なように特典をつけた キャンペーンをうちました。これなら紹介者にも友達を売るような罪悪感は薄くなり、紹介もしやすくなります。
通常は、これでもよいと思い ますが、そこでさらに工夫をしてみました。詳細は守秘義務があるのでここでは言えませんが、新たにもう一つ紹介者と紹介された人が言い訳ができる仕組みを 用意したのです。
すると、この会社の紹介キャンペーンは大爆発しました。
なんと、2700人ほどの顧客にしかキャンペー ン告知をしていないにも関わらず、1000人弱の紹介があったのです。
見込み客 は言い訳を欲しがっている
なぜ、これほどの効率のよい紹介をもらえたのでしょうか?まずは、普段からこの会社の既存客への対応が良かっ たということがあげられます。いくらよい条件を示しても、自分が満足していないものを大切な人に薦めるなんてできるはずがありません。
し かし、いくら満足度が高くても前述のように紹介するには心のブレーキが働きます。そこで我々が用意したのが、このブレーキをはずすために自分の行動を正当 化するための理由(言い訳)です。
実は、こうした言い訳は紹介だけでなく、新規客に対しても有効です。
例えば、自動車や 家などを購入するときに、あなたはカタログを見ただけで注文するでしょうか?おそらくショールームなどで実際に実物を見たり、カタログをもらいに行ったり するはずです。でも、このショールームに行くという行動、けっこう勇気がいることだと思いませんか?コンビニで雑誌を立ち読みするのとは、わけが違います よね。
「私はこの商品に興味があります」「私は購入を検討しています」っていうのがミエミエで、まさにカモがネギを背負っていくようなもの です。
特に、ほかにお客がいなくて営業担当者と2人きりになってしまった時の気まずさといったらありません。それが嫌で、ついつい足が遠のいて しまう人も少なくないでしょう。
「私は購入を検討しているわけではありません」「ちょっとついでに見に来ただけです」本当は興味 津々でも、見込み客心理としては、そうじゃないというポーズをとりたいものなのです。
こうした業種では、とにかく足を運んでも らうことが必要です。そのために、どんな言い訳が用意できるか、一度考えてみてはいかがでしょうか?