Vol.24 キムタク主演。映画「HERO」に学ぶタイアップ戦略

映画も気になるけど、もっと気になるのは

　 検事らしくない型破りな風貌と行動。そして通販好き（しかも変なもの）。この設定だけでも参考になる点はあるのですが、それは置いといて。私が気になるの は、映画公開前後のキムタクのメディア露出の多さ。　元々人気者だから顔を見ない日はないわけですが、雑誌、新聞、テレビなどの特集の多さは飛びぬけて多 かったように思います。 

　高視聴率ドラマの映画化。キムタク主演、ほか豪華キャスト出演。過去最大級の上映映画館数・・・とただでさえ話 題性が高かったわけですから当然といえば当然。　

　しかしながら、全部が純粋にメディア側が一方的に取り上げているものなのかというと、実 はそんなこともないのです。

 

お互いがWINWINの関係

　 業界でタイアップと言われる手法があります。

　例えば、映画の場合で言えば、その映画の1シーンを企業が製品コマーシャルに使う場合などで す。

　映像のシーンを使う企業側としては、話題を集められるコマーシャルをすべて自前で作る手間が省け。一方、映画配給側としては、メディア 露出が増える分、よいプロモーションになるというお互いに持ちつ持たれつの関係が築けるというわけです。

　テレビのCMソング、ドラマや映 画の主題歌などもこうしたタイアップが行われる場合がよくありますし、ロケ地となる地方自治体やお店がタイアップの対象になっている場合もあります。ま た、映画や音楽に限らず雑誌などの特集がタイアップ記事ということもあります。

　こんな風に言うと、よい印象を持たない方もいらっしゃるか もしれませんが、ものは考えようです。結局、お互いのリソースを出し合って相乗効果を発揮しているということが言えると思います。

　実力の ないもの、よくないものでタイアップしたところで信用問題になるわけですから、タイアップする企業はちゃんとしたもの、それなりに中身のあるもの、そして タイアップによるメリットのはっきりしているという点が重要です。

 

身近でできる タイアップを探してみよう

　さて、そんなタイアップですが、大企業だけがやっているのでは勿体ない。確かにスケールメリットとい うところでは、中小企業でも同じというわけにはいかないかもしれませんが、根気強くやることで足腰の強い会社になることは可能です。

　例え ば、地元の商店さんが他の会社や団体などと組んでちょっとしたイベントをするとか、不動産屋さんが駐車場の名板を無料で作ってあげるかわりに小さくでも社 名を入れさせてもらうとか、税理士さんや法人向けサービスを提供している会社が、顧客サービスのためのニュースレターに私みたいな異分野のコンサルタント から記事を無償提供してもらうとか。

　考えればいくらでもあると思うのです。たしかに派手なタイアップ効果ばかりではないかもしれないけれ ど、それだけに案外手堅い販促の方法もあるかもしれません。

　ちなみに私へのタイアップのお申し出はいつでも歓迎です。まあ、それはさてお いて、どんなタイアップができそうか一度考えてみてはいかがでしょうか？

　ただ、注意点として映画を見ながらタイアップの話を薀蓄として話 さない方が身のためです。映画を見るときは純粋に楽しんで見てくださいね。