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エコロジー意識の変化
久しぶりに会った友人と食事をしたとき のことです。
彼が、おもむろにカバンから取り出したのは、箸箱。
なかには黒檀でできた箸が入っていました。
最近は、彼のように外食時に割り箸を使わないようにマイ箸を持ち歩く人もよく見かけるようになりました。
箸のほかにも、水筒(ステンレス 製の細長いボトル)にお茶を入れて持ち歩いたり、特に女性などは買い物時にレジ袋を使わないように、コンパクトに折り畳める買い物バッグなどを持ち歩く人 も見かけます。さらにそれらのデザインにもこだわって、ちょっとしたファッション感覚で買い物バッグなどを選ぶ人も多いようです。
少し前 までは、水筒を持ち歩くというと、よほど飲み物にこだわる人か節約家と思ったものですが、今ではかっこいい感じさえします。
車でも最近の 原油高の影響もあって、燃費のよい車、とりわけハイブリット車のプリウスなどは、新車、中古を問わず人気が上がってきているようです。
レ オナルド・ディカプリオなどのセレブ達がこうしたエコカーに乗っているということもエコロジーに対する意識変化に一役かっているのでしょう。
カーボンオフセットとマーケティング
とはいえ、いくら環境のことを考えて無駄なエネルギーを節約 してもまったくエネルギーを消費しない生活というのは不可能です。
そうであればそのエネルギー消費の影響を環境にプラスになる活動を行う ことで相殺してゼロ、もしくは最小にしようという考え方が出てくるのも自然な形で、その目安として二酸化炭素(CO2)の量を算出して計算するカーボンオ フセットと言われるしくみが注目されています。
簡単に説明すると、企業が商品を生産するためや消費者の活動から排出される二酸化炭素 (CO2)に相当する量を、二酸化炭素(CO2)を削減する活動に投資することで埋め合わせたことにするというものです。
例えば、昨年発 売されたカーボンオフセット年賀などは、1枚55円のうち5円を二酸化炭素(CO2)を削減するためのプロジェクトに使われるしくみが適用されました。
このように商品を買うことで、環境保護に貢献できるカーボンオフセット付商品は、消費者のエコロジーに対する意識変化とともに注目されてきています。
同じ商品ならば、カーボンオフセット付のほうが、という購買動機がロハス層だけでなく一般にも広がってきている動きが見られます。
ポイントは一石二鳥
エコロジーに対する意識の変化で、そうした商品を使うことがカッコイイと か、エコを意識したライフスタイルに豊かさを感じるといった、商品によって得られる実感以外のものにも目が向けられるようになってきました。
こうした動きにアンチエコロジーの姿勢で向かうことは、かなり難しいものがあります。
商品を提供する側としては、エコか利益かではなくエ コを味方につけながらマーケティングを行っていく必要があります。
どちらかではなく、どちらも満たす選択肢を選ぶのが賢いやりかたでしょ う。
そして、そのポイントは企業同様に購入者に対しても一石二鳥であることをいかに実感してもらえるかではないかと思います。
つまり、商品を使うことで得られる満足を実感するのはもちろんのこと、環境への貢献というもう一つの副次的な満足をより分かりやすく実感してもらえること が購入動機につながるものと思います。
ただし、こうした欲求をマーケティングに活かす上では公明さが重要であり、自社の 利益のために悪用すればしっぺ返しも大きいことを肝に銘じて行う必要があります。
環境への貢献を実感できるという新たな 価値基準を満たすことが、マーケティングのなかで活用されていくことで、企業活動とエコロジーの関係がよりよくなれば、企業にとってもメリットの多い取り 組みとなると思います。
環境への貢献をどうマーケティングに取り入れていくか。大きなテーマに感じるかもしれませんが、小さなことでも十 分に取り組むだけの価値のあることです。
少しずつでも取り組みを考えてもよい頃ではないでしょうか?