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動物と広告
それでは、さっそく答えを。
こ れらは、いずれもテレビCMで話題となった動物たちなのです。比較的新しいところでは、ソフトバンクのお父さん役の白いイヌ、それとアルパカはあまり聞き 慣れない方もいるかもしれませんが、その毛はセーターなどの材料で有名な動物です。最近、クラレのCMで話題になりました。広告業界では以前から、動物と 子供は、『アイキャッチ』などと言われ広告を目立たせることに重宝がられてきました。
しかし、前述の動物に共通するのは、動物が単なる『アイ キャッチ』だけでなくCMの主役になっている点です。動物が話題になり、そのおかげで商品や会社が話題になるということが起こっています。
動物か有名人か
そして、さらに興味深い調査があります。株式会社ネプロジャパ ンが行った携帯電話ユーザーへのアンケート調査の結果ですが、携帯電話CMで記憶に残っているものについて、「動物が出ているもの」と答 えた人が23%という結果がでています。
なぜこれが興味深いかというと、同じ調査で「好きなタレントや有名 人が出ているもの」と答えた人は25%だったからです。
携帯電話ユーザー相手に携帯電話のCM調査という偏った背景、 数字の上だけでの比較ですが、有名人と動物が記憶に残るということでは、ほぼ同じというのは大変興味深いです。
有名人に比べて、動物は
・ 出演費用が比較的安い
・ それでいて有名人と同じぐらい関心を集めることができる
・ 不祥事やスキャンダルなどのリスクが少ない
などのメリットがあるわけですから、昨今の経済情勢を考えると最近動物の露出が増えてきたのもうなずけるところです。
ちなみに、ソフトバンクの CMでお父さん役をしている白いイヌは2匹をシーンによって使い分けているのだとか。パッと見では分からないのですが、こんな起用のしかたができるのも動 物ならではですね。
動物起用も企画力で
動物のメディアへの露出が増えるに従って、その使われ方もいろいろです。横山流に下記のように分類してみました。
1:オ モシロ珍動物型
2:一発芸型
3:キャラクター重視型
以前はエリマキトカゲ、クリオネ、ウーパー ルーパーなどのような珍動物や鉄棒する猫などのように驚きの芸を持った動物が使われることが多かったのが、最近では加えてストーリーの中で動物にキャラク ターを持たせるような使われ方が増えてきたように思います。
実際には、動物が意識して演技をしているわけでもないと思うので、それを 見る人間側の受け取り方を考えた企画力が問われているということです。
動物の活用 は意外と身近
さて、これだけ動物の販促効果が高そうだと分かってくると、ぜひとも使ってみたいところです。
テ レビ番組やCMでの事例が目につくので、大企業でないと…と思いがちですが、意外と身近にできることもあるのです。
私の身近でも地域商圏の中小企 業が動物を活用して成功している事例があります。
例えば、あるリフォーム会社さんは看板やチラシにクマのキャラクターマークを使うことで 認知度を上げるのに役立てたところがあります。
普通は社名を覚えてもらうことは、なかなか難しいことですが、「あのクマのマークの会社です」と言 うと、「ああ、あのクマの」と分かってもらえることで、信頼関係が作りやすいそうです。
また、ある会社は人材募集の広告に試しに事務所に いる猫の写真を載せたら反応が良くなったという例もあります。
イベントに関しては、犬などを使ったイベントでは派遣運営を含めて10 万円位からできるようです。また、人気上昇中のアルパカも20~30万円位から可能のようです。意 外と手の届きそうな金額ですよね?
特定の地域を相手にした場合、認知度がマーケティング全般を通じて大きく影響することがあります。ファ ミリー層や若い世代などには、話題作りだけでなく実際の集客まで期待できます。さらに自社と関係づける工夫をすれば、より投資効果の高いものとなるでしょ う。
これからイベントの多くなる季節。普段とは違う視点で動物を見てみては?