- 目次 -
『捨てられるもの』を活用して約1000人の新規顧客を獲得!
「1回の紹介 キャンペーンで990人もの紹介を獲得に成功できました」
食品通販のビジネスをされている私のクライアントか ら報告を頂いた話です。
驚くべきなのは、この会社が案内を送った先は2700通のみ。つまり30%以上の顧客から紹介を受けることが出来た のです。
どんなキャンペーンだったかというと、大きさが出荷の規格に満たない野菜を紹介先と紹介者に無料でプレゼントするというもので す。
食品生産の宿命で、どうしても規格外のものが出来てしまいます。通常なら商品として売ることは出来ないものは、畑に戻して肥料にしたり、廃 棄していました。しかし、せっかく愛情をかけて育てた野菜たち、規格に満たないといっても足りないのは大きさだけ。味などは遜色ないものです。そこで、そ んな規格外品を活用し、ちょっとした工夫を加えて、紹介促進の起爆剤に変身させることが出来たのです。
魅力的な紹介キャンペーンのための工夫とは?
紹 介先にサンプルを渡すという、キャンペーンとしては、ごくありふれた方法かもしれません。しかもこの事例で利用するのは規格外の商品になれなかったもの。 こんな条件でも工夫しだいで魅力的なキャンペーンにすることは可能なのです。
- 具体的に説明し ていきましょう。
これ以前にも紹介は募っていたのですが、せいぜい商品の案内や購 入時などに紹介をお願いするような、ついでにお願いする程度でしか行っていなかったために、1年に数件しか紹介がありませんでした。
そこで今回 は、しっかりと企画を練ったうえで専用の案内を作って配ったのです。
その案内には、
1:キャンペーン開催に至った背景
2: 紹介者と紹介先のメリット
3:紹介して欲しい対象者について
4:紹介者と紹介先の両方に一切リスクの無いことの明示
な どをしっかりと説明してあります。この4点は、紹介キャンペーンをするに当たっては必須といえる内容ですので、必ずおさえましょう。
『紹介キャンペーン』というとどうしても、友人を紹介して大丈夫か なとネガティブな思考になってしまいがちですが、これをポジティブに受けとめてもらうために、さらに工夫を加えました。
その工夫とは、案 内ツールの話者を“プレゼントされる野菜自身”にするという手法をとったことです。
あまりにもかしこまって堅すぎると ハードルが高くなってしまうので、泣き顔の野菜のイラストをつけて、「私をせめて野菜好きの輪を広げる親善大使として活躍させてください!」と訴えるとい う、子供にも受けそうなほのぼのとした演出を施しました。
また、この『野菜に語らせる手法』をとったことで、くどい説明をしなくても直 観的に理解でできるというメリットもありました。
紹介キャンペーンを成功させるための2つのポイント
この事例はシンプルでありながら、ポイン トを抑えたキャンペーンだったと思います。
このキャンペーンが成功したポイントは2つです。
ひとつは、独立したキャンペーンとして、しっかりと企画し分かりやすいように告知したということです。当り前のように 聞こえるかもしれませんが、ほとんどの失敗するキャンペーンは、紹介用紙を同封しているだけとか、そのうち紹介してくださいなどと、ついでで行われていま す。お客様が、商品やサービスに満足していたとしても、いったいどんな人を紹介すればよいのか?紹介する理由、きっかけはどうすればいいか?などの顧客の 疑問に答えられている案内をしているケースはほとんどありません。
ダイレクトメールを書くのと同じぐらい本気で取り組む。これがまず第一に気を つけていたことです。
そして、もうひとつは顧客視点に立ちリスクについて、メリット以上によく考えたことで す。
元々、自分には物理的なメリットが無かったとしても紹介をしてくれる人はいますし、話題を共有できる仲間を増やしたいという思いで紹 介してくれる人はいます。しかし、そういう人でも紹介することによる自分と知人が抱えることになるリスクは気になるものです。喜んでくれるポイントは人に よってかなり変わってきますが、リスクに関してはそう大きくは変わりません。それだけに注力したいポイントです。
忘れないでください。紹介の輪を広げるために
以上、事例をもとに紹介キャンペーン企画上のポイン トを簡潔にお話してきましたが、これ以上に大切なことがあります。
それは、紹介をお願いする以前の既存顧客との関係で す。紹介のしかけも大事ですが、紹介したいと思わせる会社になることも同様に大事なことです。特に接触頻度を保つことは紹介の頼みやすさにつながります。
紹 介は言わば仲間作りです。ただ待っているばかりでは何も始まりません。
顧客との接点を積極的に増やし、紹介の輪を広げていっていただければと思い ます。