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売上アップだけではないニュースレターの効果
ニュースレターとは、既存客のフォローや見込み客の囲い込みなどの目的で発行する、いわゆる 「号外」です。通常は、ニュースレターで売り込みはしないので、売り込み目的のダイレクトメールやチラシなどと分けてこう呼ばれています。
今回ご紹介する事例のクライアントさんは、和菓子屋さんです。ニュースレターを出し始めて半年ほどでお客さんの反応が違ってきたとのこと。売上げは、ここ 3ヵ月ほどは毎月連続で前年比で10~30%増と順調に増加しています。
また、以前に比べ、購入時に前回購入したお菓子の感想やねぎらいの言葉 をもらうなどコミュニケーションをとる機会も増えたそうです。
話を聞いているうちに何度も出てくるのは「とにかく商売が楽しくなった」という言 葉。ご本人も「ニュースレターを書き始めたのが転機」と仰っていますが、ニュースレターがもたらしてくれたのは、売上の増加だけではないようです。
ぜひ皆さんにも、ニュースレターを上手に活用することで自社のブランド価値を上げたり、共感を得たり、ファンが増えたりといった効果を手に入れて欲しいと 思っています。
そこで今回は、ニュースレターで自社の個性と信頼を伝える際のポイントをご紹介します。
個性と信頼を伝えるニュースレターの作り方のポイント
ニュースレターの書き方のポイントと は言っても形式に関しては「こうでなければいけない」というものはありません。
前述の和菓子屋さんはA4 用紙の裏表にパソコンで作成したものをカラープリンターで印刷していますが、B5サイズ、A3二つ折り、雑誌のようなページもの、手書きや白黒のものなど 会社によってさまざまです。個性を伝えるという観点からすれば、伝えたい内容によって形式は異なってよいと思います。
私としては、紙に 印刷するのがオススメです。即時性はメールには負けますが、持ち歩けていつでもどこでもすぐ見れる、渡した時にすぐ目につく、一目で全体を見渡すことがで きる、他の人と一緒に見たり回覧もその場ですぐにできる、メールはそのまま埋もれてしまいやすいですが紙だと後で読み返してもらえることが多い、など他の メリットが多いのがその理由です。
こうして紙に印刷したものを他のキャンペーンやセールの案内と共に郵送すれば配信費用ぐらいは賄えま す。その他、店舗で購入時に手渡し、店頭に置く、近隣で手配りポスティングなど、商圏や事業形態により皆さん工夫しています。
また、配 信頻度については、1ヵ月~2~3ヵ月に1回程度が良いでしょう。
あまりにも配信頻度が低いと意味がありませんので、長く購入実績が無いところ はリストから削除するなど費用対効果を考えながら最低でも2~3ヵ月に1回ぐらいは送り、顧客の関心をつなぎとめることに注力するべきです。
その他、内容については次のような点を気をつけると良いでしょう。
1、プライベートな内容を盛り込む
会社の個性を伝えるうえで手っ取り早いのが、外か らは分からないプライベートな内容を盛り込むことです。ポイントは人を中心に書くことです。読者に経営者の人間味を感じさせることで、社外 での社会的活動、社内行事や日常風景などが、会社の個性を感じる面白いエピソードになります。個人的な趣味や嗜好なども時には共感を得られる材料になりま す。(参考資料では赤枠の部分の他、随所で自分の思いや心境を取り入れて人間味を伝えています)
あるクライアントさんは、旦那さんと奥 さんが1つずつコーナーを受け持って、それぞれがファンを掴んでいました。無邪気な旦那さんとしっかりものの奥さんという設定で語られるさまざまなエピソード は、思わず声援を送りたくなるほどです。
実際、ニュースレター発行後に、注文と共に激励のメッセージを頂いたこともあったそうです。
2、 豆知識、新知識を盛り込む
ニュースレターを読みものとして捉え、新しい知識やちょっとした情報を得たくて読む人もいます。ですので、 「へー」という豆知識や新知識、ちょっとしたコツなど知識欲を満たす内容もあると良いです。そんなに難しく考えなくても商品に関連するうんちくや賢い使い 方、プロだから知っている裏情報なんていうものでもかまいません。
前述の和菓子屋さんは、地元の隠れた優良食材をお菓子にした経緯などを書き、地元のお客さんの関心を引きなが ら個性を伝えられたようです。(参考資料では青枠の辺りで語っています)
3、顧客を登場させる
実際に商品を 使っているお客さんの言葉で、使用感や使用後の効果など体験を語ることは他のお客さんに対しての強い動機づけになります。見込み客に対しても疑似体験の機 会になりますし、既存客であれば自己肯定感を高めてくれます。特に単価の高い商品は購入時の抵抗も高いですから、頼める顧客がいれば、ぜひとも取り入れた いところです。もし、そこまでは無理ということであれば、会話の一部やエピソード、よくある質問などもいいと思います。イベントや店舗などで顧客と触れ 合っている写真と共に掲載するなどの工夫もしてみましょう。(参考資料では顧客は出てきませんが、緑枠の辺りで審査員の評価という形で取り入れています)
よく聞かれるのは、ニュースレターで売り込みをしても良いか?ということですが、私はやめた方が良いと思います。
ニュースレター上で売り込みを すると、なんとも中途半端なものになってしまいます。
とはいえ、ただ送るのでは経費ばかり掛かってしまいますので、ニュースレターと一緒に魅力 的な販売の案内を同封し、売り込みはこちらでしっかりと行いニュースレターは、書ききれない情報や補足など販売案内に興味を持たせる内容にするといったよ うに役割を分けるのが良いでしょう。
ニュースレターは万能ツール?
さて、今回は、ニュースレターを作成 する際の、ポイントをまとめてみましたが、いかがでしょうか?
何も難しく考えることはありません。冒頭で紹介した和菓子屋さんもなかなか取り組 めなかったのですが、「とりあえず何か書いてみよう」というところから始めています。すべてが変わってきているのです。先日も地元紙にニュースレターを 送ってみたところ、さっそく取材を受けて記事になるなど単なる既存客フォローツールとしての役割以外の活躍もしています。
ダイレクトメールのよ うに直接注文をとるツールと違い、その効果は間接的なので注目されにくいのですが、会社のブランド価値を高めるうえで大きな可能性をもったツールだと思い ます。
「うちはまだ」という方がいたら、ぜひ取り組んでみて頂きたいと思います。