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ポイントカードの目的とは
飲食店におけるポイントカードの持つ意味は二つあります。消費者インセンティブ(顧客に経済的報酬を与える)という目的とCRM(顧客との関係性 をよりよくする)。現在のポイントカードは、よりCRMを大事にする方向へ動いています。具体的には、単にポイント還元だけでなく、顧客情報を管理するこ とで顧客の好みに合ったドリンクやメニューを提案したり、メール販促で来店を促したりという総合的なプロモーションツールとなっています。
ポイントカード導入事例 埼玉県志木市 くいどころBAR 彩の坊さん
実際にポイントカードを導入してみてどうなのか?今回お話をお聞きしたのは、くいどころBAR彩の坊オーナーの清水義一さん(埼玉県志木市)。駅 からすぐの店内は32席。現在では連日満席となっていますが、開業してから3カ月はとにかくお客様を待つ厳しい日々を過ごしたといいます。というのも開店 販促をまったくせず、店さえ開けば客が来ると信じて待っていたのだそうです。
オープンして3カ月たった時、これではいけないとクーポンマ ガジンや駅看板などの販促を始め、その大切さを実感。軌道にのってからは、積極的に販促に取り組むようになり、半年前に1000枚のポイントカードと顧客 管理ASPを導入することにしました。
顧客に5%のポイント還元を行なっています。ポイントカードを実際に使用してみての感想は、とにか く常連のお客様の来店回数が増えたということ。同じお客様がいろいろなグループを連れて宴会をしてくれるそうです。今まで他店へ流れていたお客様を店舗に 集中して呼ぶことに成功したようです。
しかし、他の店舗でもポイントカードを導入したらどうでしょう?オーナーの清水さんは決してポイン トカードだけに頼らず、すでに次の手も考えているとのこと。「これからはメール販促や顧客ごとのカルテとしてポイントカードにある情報を利用していきた い」、と話す清水さん。また同時に、スタッフから声を掛けることでお客様がポイントカードへ加入するように促し、加入数を増やすよう努力しているようで す。
お客様との距離を縮める道具にして欲しい
ポイントカード導入は実際どのように行なうのか、ポイントカードの販売会社である株式会社テンポスバスターズ テンポス情報館 安藤和彦さんにお聞きしました。ポイントカードはポイントを還元できる割引ツールではなく、誰がいつ、いくら使ったのかを把握できる顧客管理ツールなので す。ポイントを還元するだけなら紙のスタンプカードでもよいですね?スタンプカードと違うところは、入会してもらうときに記載する情報です。
顧客を最終利用日や記念日などのセグメントをして一斉メール配信したり、顧客の好みのメニューや利用の形態などを登録することができる。それにまず第一に お客さんを名前で呼びたいじゃないですか、と安藤さん。私も販促の手法として、もっともCRM(顧客との関係性をよりよくする)を大事だと考えていますが、ポ イントカードはかなり顧客との関係性を向上させる販促ツールだと実感できました。
導入にかかる費用もお聞きしました。例えばカード1000枚と端末1台・顧客管理のASP利用料・導入指導料で40~50万円。カードのデザイン や機種によって金額が変わるそうです。取材にご協力頂いたテンポスバスターズさんのポイントカードは携帯電話からも入会ができるようになったそうで、お客 様にその場で申し込んでもらえるメリットも感じました。
株式会社テンポスバスターズ テンポス情報館 http://www.pcard.jp/
取材を終えて
飲食店販促も顧客管理が重要とは思っていましたが、こういったシステムを開店時 から取り入れることでかなりお客様のリピート率が上がるのでしょうね。開業時の来店数が多いときにこそ、取り入れていったら効果的でないかと思います。