成功する流通戦略 ~基礎編~

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
「流通を制するも のはフリーマガジンを制する」と言うくらい『流通』は成功する上で重要な要因です。そこで今回は成否を分ける『流通』における成功戦略についてお話しま す。

制作物がメディアに変わる時

 流通を設計することで、はじめて 『制作物』が『フリーマガジンというメディア』に変わります。広告営業や雑誌制作ができる会社は星の数ほどあります。広告代理店や編集プロダクションに関 しては、フリーマガジンを創刊する上で必要な3つの要素(広告営業・制作・流通)のうちすでに1~2つは保有しています。しかし広告代理店や編集プロダク ションはメディアの広告をセールスすることや雑誌の編集制作をすることには慣れていますが、読者に雑誌を届ける流通網を構築することは、新しい仕事になり ます。フリーマガジンをいつでも創刊できる実力があっても、ここがネックになって創刊を踏みとどまるケースが多いのが実情です。情報を伝えたい読者ター ゲットの行動動線を読み取り、主にラック設置、街頭配布、オフィス配送、宅配という4つの種類の中から検討し組み立てていくプロセスです。制作物がメディ アに変わる瞬間をプロデュースするプロセスが流通の設計なのです。
 

成功のポイン トは「ポジショニング」の明確化

 フリーマガジンの創刊ラッシュの時代を経て現在は、雑誌の質も向上し、読者の行動動線にピンポイントで 流通していくフリーマガジンが多くなってきました。フリーマガジンのさまざまなジャンルの内容が一巡し、同じテーマのフリーマガジンにおいてもさらに専門 化が進んでいます。まさにフリーマガジン成長期の第二段階に業界が突入している証拠でしょう。現在における流通の主役は、駅やコンビニなど、消費者接点の 多いポイントです。またそれらは、同時に限られた場所でもあります。つまり新規発行における設置障壁は非常に高いというのが現状です。そのため後発媒体に とっては、雑誌の内容と流通を既存メディアよりもセグメント化し、コア読者に対して既存メディア以上の満足度と特定の広告ニーズにマッチした誌面づくりが 重要になってきます。消費者の情報に対する欲求は果てしなく、より便利に、より自分にあった情報源に流れていくことは必至です。フリーマガジンを利用する 理由は、「気軽に入手できること」と「利便性」にあります。広告収益で成立しているという特性上、フリーマガジンは情報内容自体に関して市販誌ほど濃い内 容のものを提供するのには向いていません。しかし、その分無料という特性によって、気軽に入手できるという側面が、消費者の支持を得た理由です。読者層を よりセグメント化し、対象とする読者の生活上接触度の高い流通を構築して差別化していくという方法が特性を掴んだ常套手段です。ただしいずれにしても、 「内容自体の価値×入手環境」という2つの要因が事業に大きく影響しています。情報価値(communication value)と接触接点(communication spot)の低い媒体は将来的に淘汰されていくと考えられます。つまりこの2つのバランスが独自のポジションで構築できているかが鍵となるのです。
 

コンテンツとの相乗効果を発揮する効果的な流通方法を模索する   

 フリーマガジ ンを創刊する際の流通構築とは、貢献したい対象を明確にし、情報を届ける流通環境の実現性を検討した上で流通方法別の部数を設定し管理運用していくことで す。そしてそれが、読者にとって新しい入手方法であるのかや、広告主にとって効果的であるのかを検証します。また時には、実現できる流通環境に合わせて貢 献対象を絞り込んだり、広げたりと調整を行っていく作業も必要不可欠です。
 最近ではさまざまな流通チェーン店に加え、ターゲット別にフリーマガ ジン事業主が有料で設置できるラックメディアが増えています。さまざまなラックメディアや、他の配布方法を組み合わせて市場に存在する既存メディアと差別 化します。そして特定のニーズに沿った読者を網羅していくことが重要です。紙メディアとしては、すでに市販誌という大先輩がいて、ターゲティングメディアと してのポジションが確立されています。そこで「雑誌の中身×配布方法×誰に渡されているか」をフリーマガジンらしい自由な発想で組み立てていくことが大切 です。気軽にどんな情報がどんなタイミングで入手できると新しい発見を創出できるのか?それを繰り返し考えていきます。流通方法から逆算してこんな雑誌に しようという考えも非常に現実的です。
 つまり雑誌の中身(コンテンツ)との相乗効果を発揮できる流通方法の選択が必要不可欠になります。いずれ にしても非常にコストのかかる分野ですので、読者ターゲットに対して最小の規模で生活動線を網羅できる環境を設計し、テストマーケティングを行い拡大させ ていくことをオススメします。また、広告主ありきで流通を設計するケースと流通ありきで広告主を探すケースの双方がありますが、流通ありきで創刊設計しな ければ、創刊後苦労するリスクも多いのが事実です。独自のポジショニングを設定できた段階で、創刊を踏み切ることを推奨します。

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