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そのマーケティングリサーチは何のため?
調査会社に任せるに しても、自分でやるにしてもマーケティングリサーチには、ある程度の時間、労力、金銭的な投資がかかります。自社の将来のための投資を有効に使えるかどう かは、どれだけ有益なデータ、分析を入手できるかどうかにかかっています。
そのためには、まずマーケティングリサーチを何のために行うの かという目的を明確に設定する必要があります。なぜなら、どんな調査をするか、どれだけの規模で行うか、どんな調査対象が必要かというマーケティングリ サーチの構成が目的によって変わってくるからです。
目的を欲張ってしまったがために、時間も労力も金銭的な負担も必要以上に大きくなって しまった挙句に、なんだか何に使ったらよいのか分からない調査結果だけが残ったなんて笑えない話もあります。
そうならないためにも、調査 後にどのような活用をしたいのかということをよく考えてマーケティングリサーチに臨むことをおすすめします。
結果は柔軟に解釈する
目的を明確にというと、また別の心配も出てきます。テーマ に対する思い込みが強すぎて、手に入ったデータをすべて都合よく解釈してしまうということです。
マーケティングリサーチの目的が、どうし ても社内会議の説得資料に使いたいということなら、しかたがないかもしれません。しかし、そうではなくて客観的に実態を把握したいとか、ある仮説に対して 判断材料が欲しいということなら問題です。
テーマ設定や調査の実施、データの分析まで一貫して相談にのってくれるリサーチ会社もあります が、活用するのはご自身です。
思惑と違う結果が出ても、客観的に今後の改善材料にどう使えるかというぐらいの柔軟性をあらかじめ持って臨 んでおく方がよいでしょう。
できることはやってみる
本格的な 調査はリサーチ会社に頼むことになるかもしれませんが、その前に手に入る調査結果もたくさんあります。
例えば政府や公共機関などのホー ムページ、団体の刊行物、業界紙などの調査、データバンクなどが公表しているもの、リサーチ会社などもかなりのデータを公表していますし、雑誌や新聞の記 事などもよく読んでみると、貴重なデータがインタビューなどの中に含まれているなんてこともあります。
これらの公表をされているデータは 2次データと呼ばれますが、調べれば誰でも入手できるものですし、調べる過程で調査テーマが明確になってくることもあります。
また、2次 データはこうした社外にあるものだけではありません。自社内でもちょっと調べればすぐ分かるようなデータもあります。
マーケティングリ サーチは難しいから素人は手を出さない方がよい。
業界では、こんな風にも言われたりしていますし、実際に敬遠している方もいるかもしれませ んが、リサーチ会社に依頼するにしても、実際に自分で無理のないところからやってみると調査の進め方が違ったものになってくると思います。
確かに公表データには、テーマとの関連性をそのまま信じてしまうのはどうかな?というものもありますが、それはそれで仮説を立てる材料になる可能性もあり ます。
まずは、マーケティングリサーチに馴染むためにも2次データを眺めてみるのもよいかもしれません。