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アスペクト1:マーケティング ― キッズ商戦
1月16日、ドコモ、KDDIともに春商戦に向けての新機種が発表されました。新入生、新社会人など「新規」の顧客をターゲットとする春商戦は、各キャリ アにとってしのぎを削る重要な時期となります。
さて、新規顧客の獲得、という意味では年々そのターゲット層は拡充しています。
数年前に ツーカーが始めた高齢者向け携帯電話のヒットは、ケータイになじみにくいとされていた世代をうまく取り込んだシニア・マーケティングの好例と言われていま す。
同様のマーケティング戦略として、各社とも今後は子供向けのケータイに力を入れ、キッズ商戦が激化していくこ とが予想されます。
シニアケータイの場合、その焦点は「簡単」、「シンプル」であり、液晶画面すら取り除いて大きなボタンを配置したデザ インで、使いやすさをアピールしていました。
一方、キッズケータイの場合、結局どのケータイにするかを選ぶのはスポンサーである保護者です。そ して保護者が子供にケータイを持たせるのは「防犯」が最大の理由だそうです。これまででも現在地がわかるGPS機能を 搭載したケータイやPHSはいくつも発売されてきましたが、今後の端末はよりその機能を充実させたものとなりそうです。
例えば、先ごろ発 表されたauのジュニアケータイA5525SAとSweets cuteの2機種 は、ケータイの電源が切られた場合に、その後の子供の足取りが事前登録したケータイやPCから確認できる「移動経路通知」機能が搭載されています。1分間 隔で居場所がわかるだけでなく、自動で写真撮影をしたり、電話発信が可能だそうです。付け加えると、ストラップが防犯ブザーになっていたり、と非常に細か い配慮が感じられます。
頭打ちとなりつつあるケータイに残された有望市場において、キッズ商戦は社会的な意義も含めてこれからが注目され ます。
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アスペクト2:ハード ― 高級ブランドケータイ
モバイルSuica、ワンセグ、音楽ケータイなど、昨年はケータイが機能面において飛躍的に進化し、それらの機能を満載した機種が次々に発売されました。 ところが、搭載されている機能をすべてのユーザーが使いこなしているわけではないので、その利用率は決して作り手が意図しているほどではありません。
そんななか、今新たなトレンドとして生まれつつあるのが、デザイン重視のケータイ。常に手元にあるアイテムとして、腕時計と同じように ファッション性の高さがケータイ選びの大きなファクターになってくるのではないかと思われます。
昨年末、auから発売 された「DRAPE」はその一つで、アールデコ様式を取り入れた「優雅な外観」のデザイン端末として消費者に大きな印 象を与えました。また、ソフトバンクから限定販売された705SH スワロフスキー・クリスタル・バージョンは、オー ストリアを代表するクリスタルガラスメーカー、スワロフスキー社との協力で実現し、決して安くない価格設定にも関わらず12月の発売と同時にあっという間 に完売しました。
先述のiPhoneもその一例と見ることができます。アップル社は、低迷期において も常にデザイン性の高い製品で一貫したブランディング戦略を行ってきたことが、iPodの成功によって報われ、花開く結果となりました。日本市場におい て、iPhoneがどのような形でお目見えするかは未定ですが、愛好者には垂涎の一品となることは間違いないでしょう。
以上、マーケティ ングと重複する面もありますが、従来のように新シリーズが発表されると旧シリーズはタダ同然、という傾向とは別に、このような「高級」を売りにしたケータ イは続々と増えていくことでしょう。
アスペクト3:インフラ ― サ ンセグ
昨年は、モバイル機器向け地上デジタル放送、ワンセグが開始され、大きな話題となりました。ワンセグとは13 に分かれたセグメントのうち、1セグメントを割り当てられているため、そう呼ばれていますが、ここでご紹介するサンセグとは地上デジタル ラジオ放送の“第3セグメント”の略称です。なんでワンだったのにサンなんだという突っ込みはありますが、とにかく今年秋を目処にau から対応端末が発売されるのではないかと言われています。
最大の特徴は、なんと言ってもデジタルなのでノイズが入らない、ということだと 思います。それ以外では放送中の曲のタイトルが表示され、その場で購入することができたり、簡易動画も放送可能なので、ラジオなのにビジュアルでも情報を 得ることができる、などがあります。
「化石メディア」と揶揄され、衰退の憂き目にあったラジオ放送ですが、ポッドキャス ティングで息を吹き返し、「ケータイで音楽」という常識が追い風となり、今度はサンセグでまた有望なメディアとして復活する可能性があ るというわけです。