- 目次 -
表ページを目立たせることが重要
開業時に は、多くの人に店の存在を知ってもらいたいですね。販促のひとつとして、チラシ配布があります。これには、ポスティングと手配りという方法がありますが、 実は、それぞれに紙面のつくり方が異なるのです。まずは、ポスティングチラシの効果的なつくり方をご説明しましょう。
大きさはポストに入 るものであればどれくらいでも構いません。ただし、あまりにも小さくて新聞や郵便に紛れてしまうようではいけませんね。ポスティングチラシは、すぐに捨て られてしまう確率が高いからです。したがって、最低限の目標としては、捨てる前に少しでも相手の印象に残るものを目指しましょう。店名やお得情報、フェア 開催おしらせなどがすぐ目につくように、折り方も工夫しなければなりません。たとえば、表面には大きな文字で最低限の情報を掲載し、細かな説明は裏面に もっていきます。そうすれば、すぐに捨てられるような場合でも、大事な要素だけは何となく印象に残せます。興味のある人には、裏面にも読み進んでもらい、 詳細な情報を伝えることができます。表面には、ちょっと目立つイラストや写真を入れておくのも作戦です。たとえばインド雑貨店なら、店長である自分がイン ド人の格好をした写真を入れるのです。あまり下品な格好ではいけませんが、「どんな人か今度見てみよう」と思ってもらえるかもしれません。来店に結び付け るためには、何かきっかけとなることがとにかく相手に伝わればいいのです。
これは、手 配りするチラシにも同じことがいえますね。やはり表面は、印象に残る言葉やイラストなどにするのがいいでしょう。ポスティングと明らかに異なる点は、大き さです。一辺の幅はハガキ未満でなくてはいけません。これ以上大きいと通行人も心理的に手に取りにくいものです。もらった後にしまう場所がなければ手が出 にくいですよね。A4チラシであれば、3ツ折りでなく4ツ折りにしたほうが、受け取ってもらえる確率はアップします。表面が目立つものであれば、それを受 け取った人が手に持ったまま移動してくれますので、その人が店を宣伝してくれるのと同じことですよね。前回のポスターでも説明しましたが、すべての販促物 のデザイントーンは一貫させることを忘れないでくださいね。「あれ、このチラシどっかで見たのと同じだな。あー、あそこに貼ってあったポスターと同じ店な のか」そうやって連想ゲームのようにつながっていけば、この販促作戦は大成功を収めたことになるでしょう。
これらのチラシでも、トライアル&エ ラーを繰り返すわけですから、やはり手づくりがいいでしょう。紙質やデザインを考えながら、その都度プリンタで出力して確かめてください。
トライアル&エラーを重ねてオリジナルを生み出そう
ポスターやポス ティングチラシ、手配りチラシなどについて作成上のポイントを駆け足でお伝えしてきましたが、コツは掴んでいただけましたか?つくり方の最後に、すべての 販促物に共通する基本的な考え方をお話しておきましょう。
・販促物にもTPO
|
洋服には TPO(time,place,occasion)があるのをご存じですね。実は、販促物にもTPOがあるのです。たとえば、自宅内で目にするポスティン グチラシなどは、アットホーム的なものがよく、六本木や銀座などで配る手配りチラシは、それなりに洗練されたデザインでなくてはなりません。迷った時に は、そこにいる人たちの服装などをチェックするのがいいでしょう。みんながお出かけ用のおしゃれな服を来ている場所なら、それにあったチラシを配るのが効 果的です。もちろん、自分の店のテイストを残すことは忘れないでくださいね。
・お客さんとは両想いに
何をお客さんに伝えたいか?は、最初にきちんとイメージしておくことが大切です。売り込みのポイントは一貫していなければならないのですが、そこがまた難 しいのです。飲食店でよく目にする「本日のシェフのオススメ」メニューがありますよね。実は、これがなかなか注文されないことが多いのです。オーナーが思 う人気商品と、お客さんの求めるものとのギャップが大きい場合は、よくあるのです。これは、オーナーが、自分の得意なものや好きなものを、相手も好きだと 思いがちだからです。それを「意気込みのズレ」といいます。自分好みに陥らないように、市場調査をしたり、モニターで試してみることは大切です。オーナー の独りよがりにならないように、お客様とはあくまでも相思相愛でいてください。
・販促の賞味期限
|
ポス ター・チラシ類は、デザインのトーンを一貫させましょうとアドバイスしましたが、そうかといって、いつまでも同じデザイントーンで販促を行うことはNGな のです。販促にもやはり賞味期限があり、業種や扱い商品によってそれは少しずつ違ってきます。食品を扱うショップや雑貨店、飲食店などはその賞味期限が短 く、長くても1年以内にはイメージを変えることが必要です。ただし、取り扱う商品が高額の場合、イメージ刷新のスパンは長くなります。車を例に取れば、イ メージを一新するのは約10年に1度です。その期間は商品によってケースバイケースで考えましょう。お客さまから飽きられる前に、自分から仕掛けていくこ とが大切です。一周年や三周年に合わせてリニューアルイベントを開き、新しいイメージをお披露目していくのもいいですね。
さて、いろいろな ことをお話してきましたが、大切なのは、試行錯誤から得るべきものがたくさんあるということです。ポスターでも、チラシでも、いくつも手づくりをして配布 し、感触を確かめながら進めていけばいいのです。自分でプリンタを使って出力し試作を重ねることもよいでしょう。印刷コストを下げようと、一度にたくさん 刷ってしまい、気に入らなくなったものを仕方なく使い続けるよりは、手づくりでもいいですから、丁寧に作って自分でプリントしたものを渡すほうが、仕事の 達成感を得ることができるものです。