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いわば“商売道具”をカタチにする「プリンタ」
ビジネスのスタイルが変われば「プリンタ」の使い方も変わってくるのは、前回ご説明したとおり。あなたのオフィスでは、プリントアウトされたものに「質」を 求めますか? 「量」を求めますか? それとも「付加価値」ですか?もちろん、コストパフォーマンスについても考慮しなければなりませんが、「プリンタ」からアウトプットされたものは、いわば あなたの“商売道具”。しっかり見極めてから導入することが大切です。
マ ルチOS対応機種やPostScript搭載機種がビジネスをサポート
「新しい会社には、UNIX使用者とMAC使用 者がいるんだけど、そんな時でも対応できる『プリンタ』ってあるの?」「取引会社からデータを引き取って印刷しているんだけど、会社ごとに使用している OSが違うから、一度変換が必要となる分、手間がかかるんだよね」という話しをよく耳にします。そのような会社なら、マルチOS対応型の機種をセレクトす るのが良いでしょう。Windowsはもちろん、Macintosh、UNIX、Linuxなど、必要に応じたPC環境に適応することで、混在するOSの プリントを一元化。変換の手間も省くことができ、柔軟かつ強力な仕事力をサポートします。
「レイアウトや 図、表などに凝った簡易パンフレットを作りたい」という方には、デザイン業界で一般的に使われているPostScript搭載機がオススメ。 PostScriptとは、一般に文字や画像を美しく正確に印刷するときに利用される「ページ記述言語」のこと。この機能があれば、複雑なデザインでも文 字の変形や移動などのない、制作者のイメージに近いプリントアウトが可能となり、DTP~印刷を外注することと比較して、コスト削減、時間の短縮といった メリットが生まれます。
このほかにも、「書類がたくさんたまって困る」会社には、1枚の用紙に複数ページ分をまとめて縮小印刷するN-UP機能が 付いた機種で、コスト削減やファイリングの省スペース化を図るのがベスト。「わが社は重要機密書類が多いから、書類管理が大変」という会社には、重要書類 に「社外秘」などの透かし文字を印刷できるウォーターマーク機能を付ければ問題解決です。
さらに、「複数の拠点を展開し、一括管理した い」という業種なら、パネルメニューが設定変更でき、遠隔操作やWebでの一括管理ができる機種を。「海外に拠点を設けたいけど、一括管理はできない の?」という方には、外国語のOSにも対応したプリンタドライバを標準装備している機種を導入してみてはいかがでしょう。
「プリンタ」選びがビジネス成功への第一歩
基本的に は、原理が「コピー機」と同じ「レーザプリンタ」が、もともとオフィスなどを中心に普及してきた経緯もあり、仕事として導入するのに適しているかもしれま せん。比較的紙の質を問わないため、用紙コスト削減にもなるほか、インクの水滴で印刷するため湿度や紙質に影響されやすい「インクジェットプリンタ」に比 べて、安定した画像を得られるのも魅力でしょう。さらに、ポスターや雑誌制作など、画像の質が直接問われる仕事の場合、CMYKの4色のトナーと呼ばれる 粉を定着することでプリントする「レーザプリンタ」は、印刷見本として使えるという利点があるなど、品質的にも劣りません。
肝心なの は、あなたの商売道具であるプリントを「どのような機種・機能でとるか」です。しっかり考えて選び、ビジネス成功への第一歩を踏み出されるよう期待しま す。
販促手段の正解はひとつじゃない。販促術の道に終わりはない。販促とは覚えて完結する類のものではなく知恵と技を駆使し て工夫し続けることだと私は思っています。流行も環境も設備もどんどん変わっていきます。販促のために何を準備していくのか悩みも多いことでしょう。その 都度最善と判断した技術を投入して気配りを施すしかありません。起業家のみなさんにとって機会を逃すことほど大きな損失はないと思います。各段階で賢く判 断して新しいビジネスを軌道に乗せていかれますように祈りつつ、この講座はひとまず終わりとします。