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日本の大企業の躍進に、”プロモーターの力”あり
世界にその 名を知られる”日本の大企業”も初めは町工場や自宅が拠点の小さなベンチャーから始まっています。その黎明期に、欠かせなかったのが、やはり”優秀な技術 者”です。高い技術力によって、さまざまな問題を解決したサクセス・ストーリーは今もなお語り継がれています。
その代表的な企業である、 松下電器・ホンダ・ソニーなども、例外なく躍進の原動力として、必ず優秀な技術者が存在していました。
松下であれば、松下 幸之助 氏
ホ ンダであれば、本田 宗一郎 氏
ソニーであれば、井深 大 氏
しかし、忘れてはいけないのが、その技術を世の中に広める プロモーターも必ずいたという点です。たとえば、ホンダの技術者であった本田宗一郎氏には藤沢武夫氏というプロモーターがいました。さらに、ソニーで言え ば、井深大氏(技術者)には盛田昭夫氏(プロモーター)というプロモーターがいました。(※ 営業職も立派なプロモーターです)ごく少数ではありますが、技術者とプロモーターを兼任する天才経営者もいました。その代表格が、松下電器の松下幸之助 氏。自身も有能な技術者ではありましたが、プロモーターとしての手腕には天才的なものがあります。(今でも”経営の神様”と呼ばれる所以でもあります。)
技術者を支える”優秀なプロモーター”
優秀な技術者に、優秀なプロモーターという構造は、実 は、日本だけのものではありません。たとえば、世界一のソフト会社であるマイクロソフトの創業者であるビルゲイツ氏も技術者ではありますが、どちらかとい うとプロモーターの側面の方が強く、黎明期のマイクロソフトでは、幼なじみの技術者であったポール・アレン氏がビルゲイツを支えています。
その他にも、ITに限らず、技術者とプロモーターという組み合わせで創業し、大きくなった企業はたくさんあります。実に、技術者単独や技術者集団での起業 よりも、上記の組み合わせでの起業の方が、ビジネスとして飛躍する可能性が圧倒的に高いのです。
この構造は、実は”芸術家”と”画商”の 関係に似ています。現在、名画といわれるもののほとんどは、芸術家としての腕がよかったから自然と売れた訳ではありません。いくらその作品がすばらしくて も、それを世の中に”広める人”がいないと誰からも評価されません。中世より名もなきプロモーターたちがいたお陰で、今日の著名な芸術家たちは、名声と作 品を後世に残すことができるようになったのです。
また、プロモーターの存在は、芸術家にとっても良い影響をあたえています。プロモーター のお陰で、芸術家は自分の作品づくりに集中できますし、それが良い作品の創作に繋がります。そして、それはプロモーターにとっても良い影響を与え、そうし た優れた作品が生み出されることによって、さらに世の中に広めやすくなるという”良い循環”を生み出すのです。
逆にプロモーターに恵まれな いと、一生、陽の目をみないことも珍しくありませんでした。今でこそ、数十億はくだらない”ゴッホの絵画”ですが、彼が存命中に売れたのは、実にたったの 1枚だけでした。同じように、ビジネスを行う上で、技術力も不可欠ですが、このプロモーターの存在は、もっと不可欠なのものなのです。
プロモーターとは?
では、実際にプロモーターとは、どんな人なのでしょうか?その名からもわ かるように、その技術がいかにすばらしいか?を世の中に人々に啓蒙(プロモーション)する人々です。
そして、ビジネスとして成功させるに は、それを単に「すごい技術」と周囲を驚かせるだけでなく、その技術を”お金”という「お客様の評価」にかえることができなければなりません。技術者は、 イメージやアイデアを形にすることができますが、プロモーターは、その形をお金にかえることができるのです。ですから、技術者とプロモーターに求められる 能力も違います。技術者には、”ものを形にする”知恵と発想力が求められ、プロモーターには、”人にわかりやすく伝える”コミニケーション能力”(※)が 求められます。(※ 話上手という意味ではありません)
このように、それぞれに求められるスキルが違うので、技術者が起業し、ビジネスと して会社を継続していくためには、必ず、プロモーターをどうするのか?をちゃんと決めていなければなりません。
プロモーター選びは、技術 者がビジネスをする上でもっとも重要な要素です。技術者のための”売れるしくみ”の第一歩は、まずプロモーターを探すことから始まります。