- 目次 -
技術者のファンはどうやってつくるのか?
技術者が 「売れるしくみ」を構築する上で、熱烈なファンが不可欠であることはすでに述べたとおりです。では、具体的にその”ファン”は、どのようにつくるのでしょう か?よい仕事をしてよい成果をあげていれば、やがて”ファン”ができると思いますか?
確かに、”よい仕事”や”よい成果”は、ファンをつ くる上で大切な要素です。また、それがきっかけになり、人目を引いたり、口コミ効果が起こることもあるでしょう。しかし、それだけではファンはうまれませ ん。
仮に運よくファンができたとしても、それは一時的なもので、残念ながら時間がたてば忘れ去られてしまいます。まして、技術力が拮抗す る現在、他を圧倒する技術力や商品を提供し続けることは極めて困難です。時間がたてば競合にファンを奪われることも珍しくありません。
で は、どうすればよいのか?
少し身近なところで、”ファン”がどのようにつくられているか?を考えてみましょう!
皆さんの周り で、すでに”ファン”がついている人やものを思い浮かべてください。
芸能人・スポーツ選手・著名人・作家・球団・テーマパーク・飲食店・製品など など。いろんな人やもの、そしてお店なども思い浮かぶことでしょう。
次に、それらのものに共通するのは何か考えてみてください。
・カリスマ性
・面白さ
・美しさ
・親しみやすさ
・雰囲気 など
想定する人やものによってさ まざまですが、いろいろ魅力があげられます。
(ぜひ、自分がファンである人やものを想定して考えてみてください。)
ファンづくりは、”定期的な情報提供”にあり!
では、こうした魅力(要素)は、どのようにし てファンに伝わったのでしょうか?
それは、「定期的な情報提供」によるものが大きいのです。
たとえば、芸能人を例に挙げてみましょう。はじめはどんな芸能人でも無名です。しかし、テレビに露出したり、イベントに積極的に参加することで、その存在 を知ってもらいます。
そして、ファンクラブやファンサイトをつくり、人柄やプロフィールをはじめ、イベント・出演番組などの活動情報を「定 期的に情報提供するしくみ」が作られます。
それから、好きな食べ物や趣味をはじめ、意外な一面や、いろんなエピソード がすこしずつ発信されていきます。(最近では、ブログなどを使って、よりプライベートな出来事や情報をリアルタイムで提供することで、ファンを増やすとい う方法が一般的になってきています。)
こうして、無名だった芸能人も、定期的な情報提供によりファンが生まれ、ファンがファンをつくるよ うになります。
当然といえば当然なのですが、人は自分が知らない人やものには警戒心を持ちます。しかし、自分が良く知っ ている人やものであれば、親近感を覚えるものです。同じ原理で、技術者のためのファン作りの第一歩は、技術者の人柄や情熱・ノウハウ・ 物語などの情報を定期的に提供することから始まります。
では、いったいどんな情報を発信すればいいのか?
1.自分を分析 するところからはじめる
良いところ・悪いところ・ポリシー・夢・仕事への思い・趣味などできるだけ、自分を細かく具体的に
分析し てみましょう。
2.技術者として自分の持っている専門知識について挙げてみる
特に、それを知っていることでどのように役 立ったかについても、具体的に考えてください。
意外と、自分では当たり前と思っていた情報が、普通の人から見ればすごく役立つ情報だった
りします。
3.これらをリストアップして、どのように提供するか?を考える
はじめからすごく意味のある”すごい情報” を提供する必要ありません。定期的に情報を発信
していくことで、ファンが楽しめる情報を発信することができるようになります。
それと、情報の提供方法ですが、はがき・手紙・新聞・Webサイト・ブログ・イベント・セミナーなどいろいろな手段がありますが、ファンになり得る人たち が、情報を手に入れやすい方法を選ぶと良いでしょう。
フォローが大事
定期的な情報発信を行なう上で、一つだけ重要なことがあります。
それは、”フォロー”を怠らないことです。フォローというのは、単純に応対するというだけではありません。
興味深いことに、フォロー 【follow】 という言葉を辞書で調べると、次のように説明されています。
1.足りないところや仕損じたところを あとから補うこと。
2.一段落したあともさらに追い続けたり、何かことがあれば処置したりすること。
[ 提供元:JapanKnowledge 「大辞泉」より ]
つまり、フォローとは、次に活かすためにどう改善す るか?ということが含まれています。
情報が発信されると、何かしらの反応が返ってきます。
励ましや応援の言葉もあ れば、時には批判の声や心無い言葉もあったりします。しかし、それをそのまま、受け取るだけでなく、かならず次に活かすことです。
批判されれば改善し、ほめられればその長所をさらに伸ばす努力をする。
実は、この成長プロセスこそが、ファンを確固たる ものにするのです。
失敗しても、ちゃんとフォローすること。フォローをきちんとすれば、ファンは離れません。フォロー することで、よりファンとの厚い信頼を築くこともできます。
コツコツとファンとのコミニケーションを構築することが、ファン作りの肝で す。
”ファンは一日してならず、一日して離れず”