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命取りとなる無反応と先送り
あなたは「動物に鏡を見せるとどうなるのか・・・?」という実験を目にしたことがおありでしょうか。動物は最初、そこに映る姿が自分だということ を理解できずに混乱してしまい、過剰な反応を示します。しかし、しばらくすると、何の反応も興味も示さなくなってしまうのです。鏡に慣れてしまい、鏡の存 在すら忘れてしまうからです。
私たちはともすると、この「鏡に無反応な動物」のように行動してしまうことがあります。日常の仕事や、目 先の数字、クレーム処理などに追われ、本来気が付いている問題や自社弱点に目をつぶってしまうのです。今のままではよくないと感じながらも、何の改善も行 わないまま何年も経過してしまうことが実際に起こるのです。そうした「無反応」と「先送り」は、大きな問題を引き起こし、結果として企業の命取りになって しまうのです。
そうならないためにも、営業の実状を把握することは重要です。自分たちの会社がどんな状態なのか?何が問題なのか?どう すればさらに成長できるのか?データと数字で把握することには大きな価値があるのです。
これからご紹介するデータは当社が実施したアン ケート調査の一部ですが、皆さんの会社に当てはめて考える時、営業力強化のヒントが得られるはずです。ぜひお読みください。
本当の商品力・営業力はどれくらいなのか?
商品やサービスにも「寿命」があります。寿命が尽きた商品はどう頑張っても売れません。企業が営業に関する問題を抱える場合、本当に売れる商品・ サービスを扱っているのかをまず吟味すべきです。自社の商品が、永久に売れ続けると信じ、時代や顧客のニーズに取り残されてしまう場合が少なくないので す。今回は商品やサービスに関して現場と経営のギャップを調査しました。
Q 自社の商品やサービスに自信を持って営業(経営)をしていますか?
経営者・営業管理者—— YES 76.2% NO 11.3% どちらとも言えない 12.5%
一般営業社員———– YES 55.8% NO 20.3% どちらとも言えない 23.9%
【商品に対する自信】
本来、営業担当者が自信を持てない商品を売ることは、無責任ですし、お客様に対して失礼ではないでしょうか?しかし、アンケート結果で「商品や サービスに自信が持てない」「どちらともいえない」と答えた人は、経営者・営業管理者が23.8%、一般営業社員では44.2%に上るのです。驚くほど大 勢の営業担当者が売りたくない商品を売っていることになります。営業担当者が自信を持てない商品を嫌々売っているという現実を目にする時、伸び悩む企業が 多い理由を理解できるのではないでしょうか。