Vol.19 キャビンアテンダントに学ぶ真の顧客満足

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
「お客様のため に」という気持ちはサービスの基本ですが、そのお客様が何を必要としているのか?どう接すべきかを理解するには「瞬時の判断力」が必要です。サービスのプ ロである井上さんが、どのように相手を見分けているかについてお聞きしました。 (インタビュー:横田雅俊)

 

 

飛行機に搭乗される方にはいろいろな方がいらっしゃると思いますが、それぞれにどのよう なサービスをしていらっしゃいますか?

 私は常に、サービスは自己満足であってはいけないと考えています。同じことをしても「嬉しい」と感じる方もいれば、そうでない方もいらっしゃいま す。さらにタイミング的に「サービスをして欲しい」と思う時とそうでない時があります。私としては、そのお客様の状況に合ったサービスをしようと常に心が けています。

 

確かにその時その時で求めていることは違いますね。
具体的にどのように「お客様に合ったサービス」を実践していらっしゃいますか?

 例えば、観光にでかける年配のご婦人には「おばあちゃんと孫」といったフレンドリーな対応をしますし、若い女性には「姉や妹」「友達」のように、 男性のビジネスマンには「秘書や娘」のように接するようにしています。赤ちゃんのいるお母さんには「保育士」のように接することも求められます。もちろん プロとしてちょうどよい距離を保ちつつ、居心地のよい、親しみやすい雰囲気を作り出すことが大切です。

 

何か思い出に残っている出来事がありますか?

 ある女性が、飛行機のなかでずっと泣いていらっしゃいました。私の母と同じくらいの年齢の方だったので、他人のように思えず声をかけました。19 small

この時は本当に勇気がいりました。声をかけられたくないのでは……とか、逆に傷つけてしまった ら・・・・・・と思うとドキドキしてしまい、しばらく悩んでから話しかけました。特別、何かを言ったわけではないのですが、温かい笑顔で「この飛行機のな かにいる間だけでも安心していただきたい」と思って接していたのを覚えています。何があったのかはその時知らなかったのですが、後日、何があったのかが書 かれた手紙をいただきました。そのなかに、「あなたの笑顔で癒されました」というコメントがあり本当に心温まる思いがしました。

 

素晴らしいですね。でもそこまでしっかりサービスをしようと思うと全員にはできま せんよね?

 もちろんすべてのお客様と、このようなやり取りができるわけではありませんし、すべてのお客様が求めているわけでもありません。私のなかで一つの 基準を設定しているのですが、ドリンクのサービスや、毛布のご案内をする時に目を合わせるお客様は、話しかけていいお客様。逆に目を合わせずに言葉だけで 対応されるお客様は「自分の時間を大切にしたいお客様」だと思っています。

 お客様の目の動きや、しぐさに注意を払うことで「その方に合ったサービス」を提供できるように心がけています。

 

■目の動きで相手のニーズがわかるというのは、まさに「プロ」という感じですね!井上さん、本日はありがとうございました!

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