大手百貨店店舗バイヤーを経て、顧客と直接接点のある仕事をしたい、
との思いから住宅会社の営業職へ転職。
自分自身も家を建てた経験を活かして顧客の視点で営業を実践。
住宅営業10年目のトップセールス!
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まずは多賀谷さんの仕事の内容を教えてください。
当社はユニバーサルホームの販売店としてお 客様に住宅を販売しています。家は一生に一度の大きな買い物ですから、展示場にご来場いただいたお客様にできるだけご要望にあった提案をすることが私たち の務めです。
「ご要望にあった提案」は大切ですね。どのような点に心がけていらっしゃい ますか?
徹底的に良い聞き手になるように努力をしています私は自分で家を建てた経験を常に思い起こして「お客様が何を知りたいのか?」 「どんな不安があるのか?」「聞きにくいことはなんだろうか?」と考えるようにしています。売るために必要な知識と、お客様のニーズを引き出すために必要 な知識は違いますので、「しっかりニーズをつかむ」という目標を持って知識やスキルを習得してきました。
特に、「営業は聞き上手 でなければならない」ということは誰でも知っていることですが、実際に実践している人は少ないように感じます。そこで徹底的に良い聞き手になるように努力 をしています。営業として伝えることは重要ですが、お客様が聞く姿勢でなければまったく意味がありませんので!
「徹底的に聞き上手」ですか?
そうですね。昔の住宅業界は、メーカーも今ほどたくさんありませ んし、地元の工務店さんや、知り合いの紹介などで業者を選ぶのが一般的でした。しかし最近のお客様は、インターネットや雑誌などで調査をして少なくとも 5~6社を比較検討していらっしゃいます。しっかり調べて自分で決めたいと考えるお客様が多いことを考えると、強引に売り込んでもうまく行かないことが理 解できると思います。
自分で決めたいお客様が増えているというのは興味深い分析ですね。 どのように接することがもっとも効果的だと思いますか?
まずは「壁」を取り除くことから始めますそうですね。難しい質問ですが、まずは 「壁」を取り除くことではないでしょうか。一般的な傾向ですが、5~6社の候補を決めて展示場に行かれるお客様は、5社から1社に絞るわけではなく、まず 2~3社に絞ってからその後1社に絞るようです。1次選考と2次選考があることを考えると、1次選考はまず「信頼して相談できるか?」「話しやすいか?」 「サービスがよいか?」といった選考基準で選ばれると思います。ですから売り込みをする前に、丁寧な対応と、よく話を聞くことが大切です。
例えばほとんどの展示場では、入口でアンケートを書いた後、担当者がモデルルームを順番に案内します。しかし、お客様が見たい場所と、案内の順番が同じと は限りません。ですから当社ではお客様が自由にモデルルーム内を見て関心のある場所からご案内するようにしています。リビングから見るお客様、バスルーム から見るお客様、キッチンだけは特にじっくり調べるお客様といろいろな方がいらっしゃいます。
それは新しい方法ですね。しかし、質問をして深いニーズを聞きたいと思うこともあると思うのですが・・・?
もちろんそうです。その場合はお客様の質問や感想をヒントにそこから会話を広げていきます。私も自分で家を買う時に展示場で感じたことですが、いきなり唐 突に質問攻めにされてもそこまで考えが整理できていないことがあります。ですからまずは関心がある点からお話を進めていく方がお互いに「答え」が出やすい と思います。
お客様のちょっとしたコメントや質問をキャッチして自然な形で会話を進めていくのは大切です。それともう一つ!質問する時 には必ず「質問してもいいですか?」「○○についてお聞きしてよろしいでしょうか?」と確認を取ることが重要です。相手を余計に警戒させてしまわないため に気遣いを忘れないようにしたいと思います。
聞きにくいことを聞くときにはどうしていま すか?
そうですね。資金的な話や、土地の所有に関する質問など聞きにくいこともありますが、お客様が何のために展示場に来ているのかを 判断してから質問するようにしています。すでに具体的に検討していてプロとしてのアドバイスが必要な場合には、聞きにくいことも率直に聞くようにしていま す。
しかし、そこまで具体的ではないお客様には、ニーズや困りごとを優先させてお話をさせていただくようにしています。