- 目次 -
自己投資は無形の資産として残る
営業担当者と しての自己投資は、特別な設定を必要としない。あらゆる未経験なことについて、見る、聞く、読む、体験して感じることだ。
例えば、
・ 仕事を通じて知り合った人と深く交流する。
・ 感性が動かされる映画や演劇を鑑賞する。
・ 知らない土地をひとり旅して、誰かと話す。
・ 凄腕シェフのレストランで食事する。
・ 背伸びして豪華なホテルや旅館に泊まって、格式高いサービスを体験する。
・ 高級な生地のスーツを作ってもいいし、思い込みを捨てて服装のセンスをガラッと変えてみる。
・ 高額であっても、レベルの高い異業種交流会に参加する。
・ 直接営業スキルとは関係のないような講座やセミナーを受講する。
・ 営業以外のジャンルの書籍を購入して、多用な知識を仕入れる。
ポイントは、すべての場面で身銭を切って、当事者として主体的に参加する ことだけだ。どんどん忘れていっても構わないのだ。これらの自己投資を通じて感じたことは、間違いなく、無形の資産としてあなたの内面に貯蓄されていくか らだ。
成功のカギは「他者理解」
何が言いたいかというと、 「相手をつかむ」ことを成功に導くもっとも大きな要因は「他者理解」ということである。すなわち、瞬時に相手の立場に立てること、瞬時に相手の立場を理解して 共感できること、相手の利益を瞬時に見抜くことである。
当然ながら「相手」は一人ひとり違う、しかも同じ相手でも会うごとに異なった状況 にあるのだ。そんな無限大ともいえる「相手」を相手にする営業では、営業ノウハウ本やマニュアル本を読んで、事例と対処パターンを何百とおり暗記しても間に 合わない。言い換えれば、「理」に頼らず「感」を磨くことが無限大な存在の相手と共感できるコツなのである。
「当事者意識がないこと」が一番の「自己浪費」
対して、自己浪費はマズイ。欲求を刺激されて仕 掛けにハマり、脳の快楽に浸って時間だけを浪費する無目的なテレビ視聴やパチンコ、シュミレーションを繰り返すゲームなどだ。作り手が仕掛けた術中にズッ ポリと絡め取られて、有限な時間資源だけが減少していく。
しかし、もっとも大きな自己浪費は「当事者意識のない仕事」である。毎日繰り返され る業務に何らの発見をすることなく、長時間の拘束にただ耐えていると「感」はどんどん退化していく。営業職であっても、狭く限定された馴染みの取引先とだ け会って、無感の日常を過ごしているのであれば「自己浪費」が進行しているといえる。
自己浪費を繰り返す人の特徴は、環境や周囲に原因を 求めることだ。あるいは、自己投資できない人も同じくできない理由を語りたがる。意識を切り替えて、自分が関わる仕事を見つめてみてはいかがだろう。視点 を変えてアンテナを立てるだけで、ほとんどの職場にはさまざまな価値ある無形の報酬がゴロゴロ転がっている。
自分自身の価値を高めると報酬が生まれる
社会が大きく変化すると共に、さまざまな価値基準も変 化している現代において、金銭や物品などの有形な資産よりも、あなた自身がゼロから生み出すことのできる無形資産の価値が高まっている。それらは、知識や 体験・記憶・共感できる心といった、どれも数値に置き換えにくい資産であるが、それらこそが「自分自身」の価値を高めて、一生涯に渡り、あなたに報酬を生 み続けるのだ。
さて、あなたの今日は「自己投資」の一日であったろうか、それとも「自己浪費」であっただろうか。一日の終わりにじっく りと検証することをお奨めする。