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交渉の事前準備編
交渉において、平常心を保つために気をつける ことを3つ挙げよう。
1.事前準備
2.事前シミュレーション
3.交渉の目的と自分の役割
待ち合わせの時間の30分前には到着。当たり前のことであるが、もっとも大事なことである。アウェーの場合は特に注意したいが、時間に焦って早足になったりす ると、心拍数が上昇する。さらには、汗が出る、血圧が上昇する、呼吸が荒くなる、など身体的な興奮状態を引き起こす。いやいや、私は興奮状態ぐらいが勢い がついてちょうどよいという方は、相手のタイプに左右されやすい傾向がある。どんなタイプの相手でも、つねに「風上に立つようにする」ためには、勢いで押 すスタイルでは確率が低い。平常心で相手を冷静に、状況を客観的に観察するためには、身体的にも平常こそが肝要である。
さあ、余裕を持っ て到着したら、トイレを済ませる。鏡で髪、フケ、糸くず、歯の汚れをチェックして手を石鹸で洗う。ハンカチ、歯ブラシ、整髪料は、営業の必需品である。
名刺をすぐ出せる定位置にあるか確認し、資料もタイミングよく出せるようにカバンを整理しておく。
なにやら、新入社員のマニュアルのよう だが、ワタシがいつも行なっている平常心で臨むための事前準備である。
交渉の事 前シミュレーション
交渉の展開は、あらかじめ想定ができるはずだ。
相手の立場をさまざまに想定して、その想定ごとに交渉 シナリオをシミュレーションしてみる。想定は、考えうる限りのパターンで行なう。しかし、「考えうる」のは、所詮自分自身なので、思い込みや願望が影響し て偏ったシナリオになる危険があることをつねに注意しよう。何度も、さまざまな角度から繰り返すことで、ハッとする落とし穴が見つかるはずだ。
さらには、交渉が決裂する想定においては、次につながる別シナリオを複数準備する。もちろん、交渉が成立する想定においても、次のステップに進めるタイム スケジュールを明確に描いて準備することは言うまでもない。とにかく、交渉時に「アクシデント」つまり「想定外」に戸惑い、平常心を喪失すると、風上から 吹き飛ばされるということだ。
交渉の目的と自分の役割
事前準 備を行ない、事前シミュレーションを繰り返したとしても、アナタの描いた都合のよい筋書きとおりに交渉は進まない…ことが多い。
想定以上の 条件交渉や、頑なな交渉相手の姿勢などに遭遇することもあるだろう。すべて語りつくし、あとは相手が契約書にサインするだけ…この「サインするだけ」を実 行させるハードルには、見えない何かが絡み付いている。積み上げてきた思いが大きいほど、投入してきたエネルギーが大きいほど、アナタは戸惑い、焦りを感 じる。
が、しかし、ここがポイントである。
平常心を失い、契約成立だけに執着する気持ちが生まれそうになったとき、相手は 敏感にその気配を感じ取る。アナタは風上から一気に吹き飛ばされ、相手の遥か風下へとくだることになる。
では、どうすればよいか。
ワ タシのコラムを読み進めてきたアナタは気づくだろう。
「交渉(営業)の目的と、(営業担当者としての)自 分の役割」に意識を合わせるのだ!
この言葉にピンとこないアナタは私のほかのコラムを読むことをオススメする。
Vol.1 アナタ・・・【営業】好き?
http://www.dreamgate.gr.jp/fastnavi/sales/serial/2006051401/
Vol.3 トップ営業はシナリオがキモ
http://www.dreamgate.gr.jp/fastnavi/sales/serial/2006051403/
Vol.14 営業を天職に!相手との距離は自分がつくる
http://www.dreamgate.gr.jp/fastnavi/sales/serial/2006122601/
Vol.17 臆病な人が向いている!?リードできる「営業」をする
http://www.dreamgate.gr.jp/fastnavi/sales/serial/2007021901/