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トラブルとは?
「トラブル」とは、こちらの想定とおりに物事が進まなくなった状態を指します。
具体的には、取引先との契約条件を巡る見解の相違(「言った」「言わない」の問題など)や、お客様からの苦情を「不当なクレーム」として扱ったために生じた感情的な対立などが挙げられます。(対人トラブル)
そのほか、機械の故障なども「トラブル」(対物トラブル)といいますが、これも機械が想定とおりに動かなくなった状態ですので、対人トラブルと同様の意味合いですね。
「想定」は適切か?
さきほど、「トラブルとは、こちらの想定とおりに物事が進まなくなった状態である」と説明しましたが、この「想定」が甘いとトラブルを招きやすくなります。
たとえば、「言った」「言わない」の問題ですが、言った側の想定としては、「ちゃんと言ったのだから、そのとおりに対応してくれているはずだ」ということになります。しかし、その程度の想定では、相手が「聞いていない」と切り返してきたとたんに「トラブル」化してしまいます。
「聞いていない」というセリフを言わせないためには、こちらの言い分を確実に相手に伝え、ちゃんと伝わったかどうかの確認を相手からもらっておく必要があるわけですが、その努力も工夫もせず、「ちゃんと言ったのに…」というのは、まさに想定が甘い(リスクの洗い出しができていない)と言わざるを得ません。
「姿勢」はお客様本位か?
また、お客様との感情的対立については多くの場合、企業の担当者が「私は常に正しい仕事をしている。普通のお客様なら文句など言わず、よろこんで当社の商品(サービス)を買ってくださる」という姿勢(思い込み?)で仕事をしている場合に起こりがちです。(意外と多いです、こういう人)
このような担当者にとって、不満そうな態度を見せる、苦情を申し立てるなどのお客様の行動は「自分(当社)に対する不当な攻撃」以外の何者でもなく、結果、お客様に対する不適切な対応(「自分は正しい」という前提のもとにお客様を説得、あるいは論破しようとする)を行うことになります。
そして、その対応ぶりに激怒したお客様に対しては過剰反応(悪質クレーマー扱い)することにより、さらに問題を深刻化させることになるのです。このケースは担当者の想定、というより仕事の姿勢がおかしいですね。
担当者が、「お客様は常に正しく、お客様が不満や苦情を述べられたときは、自分(当社)の対応に何らかの落ち度があるはずなので、率直にお詫びを申し上げ、その原因を究明し、改善しなければならない」という姿勢であれば、このようなトラブルはほとんど回避できるはずです。
トラブルは、「リスク想定が甘く」「企業としてとるべき姿勢が間違えている」企業に頻繁に訪れるのです。