Vol.10 あなたの会社には「事業継続計画」がありますか

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

「中核事業」を止めないために

 もう少しくわしく説明すると、BCPとは、企業が自然災害や、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限に食い止めつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

 リスクマネジメントを時間軸で見た場合、「事前対策」「緊急対策」「復旧対策」に分けることができますが、BCPはこれらのうちの「緊急対策」に該当します。緊急事態発生時の対策を何も講じていない場合には、復旧には多くの時間がかかり、平常時の操業率まで回復できないことも考えられます。場合によっては、事業縮小や廃業という事態も想定されます。

 一方、BCPに基づき、事前の防災対策や災害発生直後からの具体的な行動を定めておくことによって、目標とする復旧期間内に重要業務を復旧させたり、中核事業を継続させたりすることができます。

 わが国のBCPに関する取り組みについては、2005年8月に内閣府防災担当が「事業継続ガイドライン第1版」を発表していますが、主に大企業の地震災害を対象として作成されたものであり、中小企業における活用には限界がありましたが、2006年2月に中小企業庁が「中小企業BCP策定運用指針 第1版」を発表、中小企業向けに地震を含むすべての緊急事態を対象としたガイドラインが登場しています。

 国内企業数の99%以上を占め、経営基盤の脆弱さゆえに、緊急事態の発生が廃業につながる可能性の高い中小企業こそBCPの策定が必要であり、中小企業向けのガイドラインが作られたことは当然の流れといえるでしょう。

 このガイドラインは、中小企業庁のホームページ上で公開されており、ガイダンスに従って作業をすれば、簡単にBCPができ上がるようになっています。

 

 

 

BCPの目的

 企業が存続するためには、従業員とその家族の生命・健康を守った上で、事業を継続して顧客の信用を守り、売り上げを維持する必要があります。事業と売り上げが確保できれば、従業員の雇用も守ることができます。同時に地域経済の活力を守ることにもつながります。BCP策定の目的は、緊急事態発生時においても事業を継続できるように準備しておくことで、顧客からの信用・従業員の雇用・地域経済の活力の3つを守ろうとするものです。

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