欠陥商品を仕入れた場合の賠償責任

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
商品の仕入れにつ いての一般的な仕組みを説明しました。そこで、今回は商品を仕入れたものの、その商品に欠陥があった場合に、売り主に対してどのような請求ができるのかに ついてくわしく説明しましょう。

 

商品の交換を請求する

 仕入れた商品の欠陥を「瑕疵」(かし)といいます。これは、日常用語ではほとんど使わない用語ですが、事業者間ではよく用いられる用語です。

 仕入れのための売買基本契約書に特別の規定がなくても、法律上、仕入れた商品に欠陥があり、代替性がある商品の売買のときには、その物が市場に存 在する限り、売主は欠陥のない完全な物を再度提供する義務があります。そこで、商品に欠陥があった場合には、買主は、欠陥商品を欠陥のない物と交換するよ う売主に請求することになります。

 

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)

 商品の交換以外には、商品に瑕疵がある場合に売り主に追及できる責任として「瑕疵担保責任」があります。「瑕疵担保責任」とは、商品に容易には発 見できない欠陥があった場合に、買い主が、損害賠償請求、売買契約の解除などをすることができるというものです。これらの請求も、契約書で特に定めていな くても、法律上、当然に買主に認められている権利です。これは、売主に商品の瑕疵についての故意や過失がなくても責任を問うことができるものです。

 ただ、事業者間の売買においては、買主は商品の引き渡しを受けたときは遅滞なく、その商品を検査しなければならず、そして、検査によって瑕疵が発 見されたときは直ちに売主に対してその旨を通知しなければならないものとされています。通知を怠った場合には契約の解除や損害賠償請求ができなくなりま す。また、契約の解除や損害賠償請求などの責任は商品の引渡しから6カ月間しか認められません。

 以上からわかるように、売主に瑕疵担保責任を追及するためには、法律上、納入後直ちに商品を検収することが必要となります。「検収」とは、納入さ れた商品が、発注内容と合っているかを検査することをいいます。上記のとおり、検収はとても重要な意味をもつ作業であることから、納入された商品の品質など に関しては慎重に確認することが必要です。

 

修理

 仕入れた商品に欠陥があった場合、修理してもらうことはできるでしょうか。通常は、修理してもらうよりも欠陥がない商品と交換してもらうことにな るでしょう。法律上は、商品仕入れの売買契約では、修理の請求はできないこととされています。ただし、契約書によって別途修理についての規定を定めること は可能ですので、返品・交換ができないような商品仕入れの売買の場合には、商品仕入れの契約書に修理を請求できる旨の規定を設けておくことが望ましいとい えます。

 

まとめ

 消費者が商品を購入する場合には、さまざまな消費者保護の法律で保護されていますが、事業者間の取引では、買主も事業者としてやるべきことをしな ければ保護されませんので、注意しておくことが必要です。そして、仕入れに関する売買基本契約において、法律上買主に認められているさまざまな請求権を制限す る条項が定められることも多いものですから、仕入れ先と売買基本契約を締結する際には、契約書における規定を確認することが重要です。

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