知的財産:Vol.10 あなたも知らずに犯罪者!?商標権にご注意を

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
最近のホームページの台頭により、急激に商標権の侵害のケースが増えています。特に、インターネットビジネスにおいて、無意識に使用しているロゴが他人の商標権を侵害しているケースが後を絶ちません。商標権について、侵害してしまいがちな部分を説明いたします。

そもそも商標権の侵害とは

 まず、そもそもの商標権の侵害を説明します。一番簡単な例は、すでに登録されたものと同じ商標を、商品に使ってしまうことです。具体的には、例えば、自分が製造したバックに、有名ブランド名で商標登録されたマークを付けて販売することです。実際には、商標の類似の範囲も侵害に当たります。多少商標が違っていても、お客さんが本物だと勘違いして購入してしまうようでは、侵害とみなされるのです。

 

知らず知らずに侵害しているケース

 最近、特に多くの相談を受けるのが、自社のホームページの記載が侵害に該当しているケースです。実際にあった例を言いますと、自社でホスティング事業を営んでおり、なにげなく使ったクリックマークが、他社の商標権を侵害していたのです。そのマークは、4文字程度の文字をデザイン化していましたが、使った文字も読みも、他社がホスティング事業で権利をもっている商標とほぼ同一だったのです。こんな細部まで?と思われるかもしれませんが、知らなかったでは済まされないのが、商標権という強い権利なのです。

 

いきなり届く警告文

 権利者からの警告文は、内容証明郵便でいきなりやってきます。まあ、内容証明郵便で来ればびっくりして対処を考えるのでしょうが、FAXで来た場合はとても危険なことがあります。実際にあった例ですが、警告手段がFAX程度だったことと、経営者が無知だったことが重なって、警告を放置し、侵害商品を販売し続けてしまったのです。その結果として、後日、悪意があって(知っていて)侵害し続けたとして訴えを起こされ、かなり高い損害賠償額を請求されることになりました。くれぐれも警告文はFAXだからと馬鹿にしないでください。警告書が来てあわてる必要はありませんが、適切な対処が必要なことは確かです。

 

円満解決法

 では、侵害していた場合の対処ですが、こちらが侵害していると思われる場合は、まずは該当商品の販売を停止したり、ホームページを書き換える必要があるでしょう。悪気がないにしても、相手に誠意を見せるのが賢明です。その上で、相手方との交渉となります。相手方に大きな損害を与えていないような場合には、こちらが使用をやめることで解決する場合が多いようです。

 賠償が必要な場合には、金額交渉となりますが、この交渉で解決するのが得策です。裁判所に持ち込まれ、裁判所の一方的な判断に委ねるのは、得策ではないでしょう。何よりも、円満解決を目指すべきです。単に賠償額を支払うだけではなく、今後もその商標を使い続けたい場合には、使用料を支払って相手にもメリットが出るような策を考えることもいいでしょう。いずれにしても、両者にとってメリットのある条件での交渉が、円満解決のポイントです。

 

あらかじめ対策を

 とはいえ、侵害しないように普段から心がけ、事前に調査してから商標を用いるなり、自ら出願し権利を取得してから使用するのが一番です。実際、出願することで特許庁が審査をします。これによって間接的には侵害の有無に近い判断をしてくれるわけですから、出願して様子を見るというのも1つの方法です。

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める