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小売業等とは
「小売業等」の範疇(はんちゅう)ですが、2007年1月に発効予定のニース国際分類(※1)を見る限り、「商品を取りそろえ、お客さんが商品を見られるようにし、購入できるようにする」ということなので、小売店そのものということのようです。特許庁の資料では、デパート、コンビニエンスストア、家電量販店などの総合小売店や、靴屋、本屋、八百屋などの専門店が説明されています。
ネットショップは?
同じ新しいニース国際分類では、「ウェブサイトまたはテレビのショッピング番組などの電子メディアによって提供される場合がある」とされています。つまり、通信販売事業者やインターネット販売事業者によるネットショップが含まれることが明確のようです。
なぜ、「革新的な改正」なのか
今までは、お店の名前を商標権で独占排他的に保護して、他者を排除できなかったわけですから、それが直接的に排除できるようになるというのは「革新的な改正」と言うべきなのではないでしょうか。従来も「不正競争防止法」という手段はありましたが、店名が消費者にそれなりに知れ渡っている必要があったりと、なかなか実効的な保護手段ではなかったのです。それが一転、ネットショップが強力な武器を持つことができるようになるわけです。ただし、例え正当な権利者になったとしても、競業秩序を乱すような権利の使用は許されないということだけは、肝に銘じておいてください。
今できることは、ショップ名を使うこと!?
現時点では、どのような審査が行われるかはわかりません。しかし、ある一定の期間に出願された案件は、すべて同じ日に出願したものとみなされるようです。言い換えると、出願日での優劣がつかずに、その期間内に同じショップ名が出願されると、通常であれば「くじ引き」で独占権が与えられるのです。さすがにそれだと、今までそのショップ名を使っていた人が出願すれども、くじに外れたがために権利を得られない可能性もあり酷です。実際には、使用証明を提出すれば、たとえ同一の出願があったとしても、重複で登録をしてもらえるようです。
となれば、今できる準備としては、そのショップ名を使い始めるということに尽きるわけです。
※ 1 ニース協定に基づいて採択・公表された「標章の登録のための商品およびサービスの国際分類」(正文は英語および仏語)