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一般的な思考
社名、すなわち商号を決める場合の多くは、会社を設立しようとする住所地を管轄する法務局(登記所)で類似商号調査を行い、類似商号がなければそ のまま決定しているかと思います。
では「どうして類似商号調査は必要なの?」と聞かれたら、あなたはどのように答えますか?
すでに使用されている商号は消費者に誤解を与えるから、あるいは単純に真似しているみたいでイヤだからなど、いろいろな答えが返ってくると思いま す。確かに、モラルとしてこのような考え方はとても大切です。しかし、本当にそれだけの理由で類似性を嫌っていいのでしょうか?
実は、他社の商号との類似性には、事業を成功させるためのポイントが隠されているのです。
商号調査を行う意味
例えば「加藤特許商標事務所」と「かとちゃん特許商標事務所」という2つの事務所があったら、あなたはどちらに重要な仕事を任せますか?
また、「加藤薬局」と「カトウミチユキ」という2つの薬屋があったら、どちらが記憶に残りやすいでしょうか?
商号は自社の権利を 守るだけでなく、信用を勝ち取ることや競合他社との戦いを有利にすることもできるのです。
商号は消費者を引きつける磁石のようなもの
商号は、顧客吸引力(磁力)をどれだけ持っているのかで、その価値が決まると思います。
目の前の真っ白な板の上に、大小さまざまな磁石がおいてある光景を思い浮かべてください。真っ白な板がマーケットで、磁石がそのマーケットで競い 合っている会社です。そのマーケットに鉄粉(消費者)が近づくと、磁力が強い磁石(会社)に吸い寄せられることになります。会社が消費者を引きつけたとい うことですね。
消費者を引きつける強い商号を
起業するということは、すでに置いてある磁石の間に、新しい磁石(あなたの会社)を置くことに他なりません。
なので、あなたの商号の持つ磁 力が、競合他社の磁力に負けないようにすることは、成功するためにはとても重要なポイントの1つになるのです。
『他社と競合しな い』『識別力が高い』『消費者を惹きつける力が強い』ということを意識して、強い磁力を持った商号をつけるようにしてください。
新会社法が施行され、類似商号調査は任意となっていますが、競合他社の商号や商標を1度は調べてみてはいかがでしょうか。