Vol.13 「おもしろくないを科学する」モテ社長の魅力を直撃

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
今回は、会社員時代に立ち上げた勉強会を「ナレッジワークショップ(R)」という形で事業化して起業した、株式会社ナレッジサイン 代表取締役吉岡英幸氏にお話を聞きました。独特の語り口と斬新な発想で、次々とヒットするワークショップを開発中です。起業してまもなく4年。これまでの経緯とモテる社長の実情をお伝えします。

「“おもしろくない”を科学する」から生まれたナレッジワークショップ(R)

 「世のなかの販促セミナーはどうしてこんなにおもしろくないんだろう?と思ったんですよ。それで、2年間で100回以上、いろいろな販促セミナーに参加して、自分なりの評価シートを作ってまわりました」。今では顧客の9割がITベンダーですが、当時参加した販促セミナーは、一方通行的なプレゼンテーションであり、顧客との接点が希薄なものだと感じたそうです。

 「『どうしたらおもしろくなるだろう?』と考えた結果、ディスカッション形式でもっとベンダーもお客さんも何を求めているのかがわかるようなものがいいのではないか、と思ったんです。 “おもしろくない”を科学する、という発想でした」

 起業社長の頭のなかは、まずここから始まると思います。

どうしたらおもしろくなる?

どうしたら人に喜んでもらえる?
(そしてもちろん、どうしたらお金になる?という思考も大切ですが……)

常にこうした発想が求められます。ここでは、コーチングのGROWモデルが生きて
きます。
頭文字をとって、それぞれ、以下の意味がありますが、コーチングのプロセスを
表す言葉としてコーチの間で定着しています。  

G=ゴール(どうなりたいか?)
R=リアリティ・現状・リソース
 (今現在どうか?ゴールとの間にギャップがあるか?あるならばどのリソースが
  使えるか?)
O=オプション・選択肢(何をするのか?)
W=意志(本当にやるのか?)

 こうして生まれたのが「ナレッジワークショップ(R)」。吉岡さん自ら仕切るワークショップでは、隣に座っているお客様のニーズが手に取るようにわかる、ベンダーの提案が直接聞ける、そして両者は「顔見知り」となり、いざ商談というときには、すでにお互いの間の空気は温まっている、という仕組みになっています。

 出会いの場、学びの場を作る。吉岡さんのファシリテーター魂がむくむくとわきあがります。特別なファシリテーションの教育を受けたわけでもなく、実践から学び、分析し、身体に染み付いたファシリテーションの技術。これは一体、どうして身についたのでしょう。

 時は遡り、5年以上前。リクルートの社員だったとき、仕事と平行して「ITの勉強をしたい」という思いから、仕事上の付き合いが多かったWebビジネス系の方を集めて勉強会を立ち上げます。

 「始めはただみんなを集めて、『勝手にやってくれ』という感じでした。話の内容もよくわからないし、聞いてるしかなかったんですよね」。勉強会では、徹底的に聞き役に徹して、出席する人たちのタイプを観察したり、その場で行われるやり取りを観察していたといいます。

「聞く」ということはスキルだと、以前にもご紹介しました。

「聞いているしかなかった」とはいえ、ここでコーチ的アプローチを身につけられ、
それをファシリテーションスキルへと昇華させていかれたのかもしれません。

 当初はベンダー関係者を入れずに、顧客の立場だけで語られていた勉強会に、あるときベンダーの人にも入ってもらおうと閃いて、さっそく実施。「お客の声を聞けよ!」という思いもあったといいます。すると思いのほか盛り上がり、参加者の間で契約に至るケースがでてきました。

 「これはいけるんじゃないか。独立するならこれだ!と思いました」。
 顔見知りだけで開催していた勉強会を、今度はワークショップとして事業化。いろいろと営業で苦労した末、ベンダー各社に次々に導入され、好評を博します。
 こうして事業が軌道にのると、一人では手が回らなくなってきます。そしてスタッフを雇うことに……。

 

モテ社長の実情。社員アンケートの恐るべき共通点

 取材に先駆けて、ご本人のリクエストもあって、社員アンケートを実施しました。社長のことをどんな風にみているのか?それは、どんな方にとっても気になるものなのですね。

 アンケートの内容はもちろん、社長本人について。理想の社長像や、吉岡社長はどんな社長なのか?ということをお伺いしました。すると、なんと、アンケートにお答えいただいた社員の方に共通していた回答がありました。

 「大きな声での独り言や勝手に歌いだすのをやめてほしい」
 「気遣いしすぎ。もっとエラそうにしてもいいと思います」

 「社長のいいところは?」という項目では、それぞれに理想の社長像と吉岡社長を重ね合わせてお答えいただきました。ところが、「直して欲しいところ」と「モテ社長へのアドバイス」では、男女二人の社員の意見が一致したのです。

 「エラそうな社長」はたくさんいると思います。でも「もっとエラそうにしてもいい」といわれる社長は珍しいのではないでしょうか?モテる社長はリーダーシップも兼ね備えているものですが、吉岡さんがどのようにリーダーシップを発揮しておられるのか、大変興味を覚えました。

 さて、こんなメッセージを社員から贈られた吉岡さん。いったいどんな作戦で「モテ社長」の座を掴むのか?
 次回は、吉岡さん流の理想の社長像とこれからのチャレンジについて伺います。

 

会社概要

株式会社ナレッジサイン

所在地:東京都中央区

設立年月:2003年4月

資本金:1000万円

事業内容:ITベンダーへの販促支援サービス、ナレッジ・マネジメント研修、IT人材の教育サービス

URL:http://www.k-signs.co.jp/

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