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お客様の利益に貢献すること。そして常に新しいことを考えていく。
STSD株式会社の事業の軸は主に二つ。システム開発とインターネットサービスです。システム開発については「単にプログラムを書くのではなくて、お客様の利益を常に考えて、お客様が何を考えているのか、何を大事にしているのかを引き出して形にしていくのが仕事です。システム開発に膨大な投資をするのですから、何のために作るのか、ということをお客様のなかではっきりさせていただく必要があるんです」。
仕事には、並々ならぬこだわりを持っている鴻田さんです。プロジェクトが始まると、時間をかけて、丁寧に、お客様の要望を聞き整理していきます。
コーチングの基本は「聴くこと」です。(Vol.2参照)
コーチングの基本は「聴くこと」です。(Vol.2参照)
営業の場面でも、システム要件の整理の場でも、一番大切なことはお客様の要望をしっかりと聴き取ることだと思います。私も以前の職場で、ユーザーの立場だったことがあるのでよくわかりますが、「お客様の要望」というのは、とても流動的なんですよね。打ち合わせのたびに変わっていってしまう。そこを鴻田さんは痛いほどよくわかっているから、始めにしっかり要望を整理していくのだといいます。
コーチングは、本来は相手の行動を促して自発的に行動できるようにサポートすることではありますが、コーチングのスキルは、このようにいろいろな場面で活かすことができます。
この「聴くこと」ができるか、できないかで、ビジネスパーソンとしてのモテ度が変わってくるといっても過言ではありません。
数え切れないほどのプロジェクトで気づいた「組織」のあり方
これまでに、鴻田さんは、日本でも名前を聞いたら知らない人はいないような外資系システム会社を中心に、独立ワーカーとしてプロジェクトに参画してきました。改めて数えていただくと、その数は20件を超えていました。そのほとんどが大企業への導入であり、長期プロジェクトでした。
「組織の規模が大きくなると、全員のモチベーションが常に一定だとは限りません。お客様を含めて、本来の目的が何だったのか、絶対にクリアしなくてはいけない課題は何だったのか、やっているうちに見えなくなっていくことが起こりうるんです」と、過去のプロジェクトを振り返ります。「その要因ともいえるのが、情報共有ができているかできていないか、ですよね」。
仕事を進めていく上での課題として、よく言われる「情報共有」もコーチングにとっては必要な要素です。コーチングのセッションが進んでいく過程で、クライアントのなかに安心感が生まれるのと同時に、「慣れ」も生じてきます。コーチングを始めた目的やゴールが見えなくなることがしばしば起こりますから、コーチとしては、常にそれを意識して、私達が進む方向はこうでしたよね?と確認しながら進むことが大切です。組織のリーダーとスタッフとの関係も同じで、目的や課題といった情報(進む方向)をお互いに確認しながらプロジェクトを進めていく必要があります。
ビジネスを維持することから体制作りのステージへ。社長への業務集中を回避せよ
個人で仕事をしていた鴻田さんが会社を起こしたのは、組織作りをご自身の課題だと感じたからですが、スタッフやお客様にモテる秘訣って何だと思いますか?という質問には…
「モテる社長というのが、実はぴんとこないのですが (笑)、やはりお客様に『鴻田さんにお願いしたい』といっていただけるのはうれしいですね。でも、今のままでは会社を設立した意味が薄れてしまいます。組織作りをしっかりとやっていって、自分に集中している業務をスタッフに安心して任せられるように、自分の考え方を伝えていくことが必要だと思っています」。
お客様にモテるということは、仕事に対する自信があるからに他なりません。それでもやはり会社を起こしたからには、組織作りをしっかりやっていきたいと発言するのは、常に前を向いている起業家だということの表れだと思います。
次回は、鴻田さんの目指す社長像とこれからのチャレンジについて伺います。
会社概要
STSD株式会社
所在地:東京都渋谷区
設立年月:2005年6月
事業内容: Webシステム開発コンサルティング・業務分析・設計・開発、ネットワーク構築支援、ソフトウェア導入支援、Javaアプリケーション・フレームワーク導入コンサルティング・技術支援・開発サポート
URL:http://www.stsd.co.jp/