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”かたまり“が大きすぎて話の本筋が見えないときの裏ワザ
は じめに、コーチングスキルの「チャンクダウン」についてお話します。文字とおり、「かたまりをほぐす」ということです。コーチングの会話の際 にも、将来の夢や少し先の目標について語るときや漠然とした企画について話すときは、語る内容が大きすぎて、どうしても具体性にかける場合があります。私 たちコーチはそういうときにこの「チャンクダウン」というスキルを使います。
では、モテ社長のあなたが、どんなときにチャンクダウンが使えるのかをみてみましょう。
モテ社長「今度の新商品のプロモーション、どんな風に考えているの?」
(この段階では、社長の質問も漠然としています)
社員A「はい、社長!製品には絶対の自信を持っているので、がつんと大きく展開しますよ。
メディアの露出を中心に、積極的に攻めていきます!」
(具体的な戦略がまだ見えてきません)
モテ社長「がつんと大きくね!それは楽しみ。メディアの露出というと具体的には何を予定している?」
(「具体的には何を」という問いかけで「かたまり」をほぐしていきます)
社員A「まだ選定途中なのですが…新聞や雑誌へのプレスリ リースやインターネット媒体も考えています」
モテ社長「選定途中なんだね。プレスリリースのたたき台にはどういう要素をい れるのかな」
(「プレスリリース」というキーワードを拾い上げて、ここでさらに突っ込んでいきます)
社員A「そうですね。もうそろそろ具体的に作っていかないといけない時期ですね。必要な要素としては…」
まだAさんの頭の中では具体的 な戦略や詳細な内容が詰められていなかったようですが、モテ社長がチャンクダウンのスキルを使ってどんどん突っ込んでいくことで「具体的に」していくきっ かけをみつけました。
あなたが大企業の社長で、各プロジェクトに関しては他にマネジメントする立場の人がいる場合は別として、一人ひとり の社員と関わりながら仕事を進めていきたいとお考えなのであれば、社員の頭の整理をサポートする「チャンクダウン」を身に付けるのも社長の仕事の一つとい えます。
バラバラすぎて要点がわからない話をまとめるときの裏ワザ
次に、逆のパターンを見てみましょう。いろいろな考えが浮かびすぎて要点が何なのかがわからないときには「チャンクアップ」というスキルを 使います。筋道を立てて話すプレゼンテーションの場ではともかく、通常の会話では論理的に話すことを苦手とする人もいます。「チャンクアップ」とは、ばら ばらな要素をまとめあげてひとつの「かたまり」を作っていくことです。
たとえば、社員が夢中になっていくつもの選択肢をあげてきたとします。先 ほどのプロモーション戦略でいうならば、「たくさんの人に一度に発表したい」「実際に使ってもらってその声を宣伝に使いたい」「雑誌やインターネットサイ トで取り上げてもらいたい」など、やりたいことがたくさんある、といった状況です。
モテ社長は「今、5つほどあげていたけど、要するにまとめて いうと今回のプロモーションの柱は何になるの?」というように、「まとめる」作業をサポートします。
アイデアレベルのブレストではなく、早々に 何かを形にしていく必要があるときや大枠の方針を固めなければいけないときなどに、この「チャンクアップ」というスキルは大変便利です。
あくまでもニュートラルな質問で切り抜ける
普通の会話に慣れていると、言いた いことが何だかわからない相手に対して、ちょっとしたイライラを感じることがありますよね。モテ社長は、部下やお客様に対して、決してそのイライラを悟ら れてはいけません。もちろん感じないほうがよいのですが、そんなときは一呼吸おいて、コーチングの一部としてこのチャンクダウン・チャンクアップを使って みよう!と心がけてみてください。あくまでもニュートラルに質問の形で伝えるのがポイントです。明日にでも、このスキル使えますよ!