Vol.19 自発的な行動を促す、社長の意見の伝え方とは

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
前回に引き続き、 今回もコーチングのスキルに触れます。仕事をスムーズに進めるために、よい人間関係を築くというのはビジネスにおいて必須の条件ですね。モテ社長のみなさ んはスタッフの自主性に任せるのがよいと頭ではわかっていても、やはりある程度の主張、というかこちらの意見や考えを伝えなくてはいけない場面もありま す。そんなときにこれまで築いてきた関係を壊さずにコミュニケーションをとることができるスキルの紹介です。

「自発的な行動を促す」のは、「気持ちよく」がポイント

 コー チングスキルの研修などで会社の役員クラスの方とお話をしていると、よく言われることがあります。

 「自発的な行動を促すために承認すれば いいというけれど、いつでも従業員が正しいとは限らない。こちらの方針や意図に沿わないことがあれば彼らに任せておくわけにはいかない」と…。

  確かにおっしゃるとおりですね。コーチングでもっとも難しいさじ加減といえるかもしれません。相手の自主性を重んじるばかりに勝手な行動をとられては会社 の方向性と離れていってしまう場合もあるでしょう。
 そんなとき、モテ社長に求められるアプローチとはどういうものでしょうか。
 せっか く芽生えたお互いの信頼関係に水を差さずに、こちらの主張を伝え、かつ気持ちよく行動してもらうためにできること…。この「気持ちよく」というところがポ イントです。彼らと異なる意見や考えを伝えるときや、どうしてもこちらの主張を通したいとき、または相手に任せてはおけないと危機感を抱いたときに、 ちょっと思い出していただきたいことがあります。

 

命令ではなく要望、指示ではなく提案

 そこで私は「命令ではなく要望」「指示ではなく提案」というスタイルをとることをお勧めしています。
 下 の例をご覧ください。

 (命令)「このクレームだけど、明日の午前中までに必ず対応策を考えて持ってきなさい!」
  ↓
  (要望)「このクレームの対応策について、明日の午前中にあなたの考えを聞きたいので、まとめておいてもらえますか?」

 (指示)「ここの 販売戦略の部分だけど、ちょっと曖昧だからもう一度練り直してください」
  ↓
 (提案)「ここの販売戦略の部分だけど、私には曖昧に感 じられたので、もう一度練り直してみない?」

 いかがでしょうか?
 もしご自分が従業員の立場であった場合、どちらが受け止めやす く、また「やってみよう」という気持ちになりますか?
 お気づきのように、命令や指示とは異なり、「要望」や「提案」では、最後が質問の形になっ ていますよね。相手との関係を壊さずに意見や考えを伝えるとき、そのためにひと工夫いれるとはこういうことなのです。

 

やわらかくニュートラルに、そして毅然とした態度で

 日本には、敬語という美しい 文化があります。一つのことを伝えるのに少し言い方を変えるだけで相手への尊敬や丁寧な心が伝わりますね。それと同じで、ビジネス社会においても言い方を 変えるだけで相手が受け取る印象が異なると思うのです。
 相手のご機嫌をとる必要などまったくなく、やわらかくニュートラルに伝えればいいだけ。 そのときに大切なのは、きっぱりと主張する毅然とした態度だとも私は考えています。

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