創業期に「ヒトのチカラ」を活用する際には、それまでに築いてきたあなたの人脈が威力を発揮します。起業家セミナーや異 業種交流会などで知り合った仲間に事業を手伝ってもらったり、学生時代や会社員時代の友人にアルバイトをしてくれる人を紹介してもらったりするなど、人脈 があればさまざまな「ヒトのチカラ」に出合い、助けを借りることができる可能性をつかむことができますね。
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お金を持っていると人が集まってくるけれど・・・
世の中を見回してみると、豊富な人脈を持っている人にも、いくつかのパターンがあります。まず、お金を持っていて気前がよい人。こういう人のとこ ろには、いつも大勢の人が集まります。そして集まってきた多くの人がその人の頼みごとにも応じています。しかし、これから起業しようという人や、起業した ばかりの人に、お金をたくさん持っている人は居ませんね。残念ながらほとんどの読者の方には、この方法は使えそうもありません。まあ、このタイプの場合に は、集まってきた人はお金が目当てですから、お金がなくなった途端に、人は消えていきます。まさに「金の切れ目が縁の切れ目」という訳です。
情報にも人を惹きつけるチカラがある
次に、たくさんの情報や知識を持っている人のところにも、人が集まってきます。このタイプの人をよく観察してみると、二つのタイプに分かれていま す。一つ目は仕事や趣味などで、さまざまな方法で情報を集めている人、いわばその道の専門家です。ジャーナリストやアナリストなど、情報の収集に直結した 職業の人の場合もありますが、副業の株式投資に関する知識や情報をたくさん持っている人や、趣味について持っている情報の奥行きが深い人なども含まれま す。このタイプの人のところには、どんな情報や知識が欲しいのか、ある程度明確に目的を持った人が集まります。
二つ目のタイプは、いろいろな人が困ったことがあると相談を持ちかけるタイプの人です。いわば総合コンサルタント型。このタイプの人の 場合には、その人の専門領域に限らず、関連した分野や、時にはかけ離れた領域の相談も持ちかけられます。すると、このタイプの人の許には、本人が意図しな くても、実に多様な情報や事例が蓄積されていきます。その結果、それを求めて、さらに多くの人が相談に来るという、プラスのスパイラル現象が起き、ますま す人脈が育って生きます。
誰でもなることができる「世話人型」
もう1つが、行動で人の役に立つ世話人型。さまざまな場面で他の人の世話を焼き、役割を引き受け、頼りにされるタイプです。勉強会や交流会の事務 局、パーティの幹事役などです。世話人型の場合には、必ずしも何かの領域で飛び抜けた専門性を持っていなくても、その人ならではの機能が評価され、結果的 に多くの人に感謝されて人脈が豊かになる現象が見られます。もうお解かりですよね。知識や専門性に自信がないという方は、世話人型に注目してください。
この世話人型になるのは、そんなに難しくはありません。まず、交流会の会場準備などの雑用を積極的に引き受けることです。多くの参加者はこれらの 役割を敬遠していますから、主催者や幹事役はいつも苦労しています。毎回、少し早めに行って、机やイスを並べるだけで、主催者や幹事役とあなたの間には、 一般の参加者とは異なる太いパイプが生まれます。すると、次の段階で受付や案内状の発送の手伝いなども頼まれるかもしれません。また、他の参加者よりも早 く行っていることで、講師やゲストの方とじっくりと会話をする機会が生まれる可能性もあります。このようなことを繰り返していくうちに、いつか、あなたは その交流会の中核メンバーになり、周囲の人から頼られる存在になっているはず。大切なのは続けることです。
人脈作りのキーワードは「ギブ・アンド・ギブ(Give and Give)」目先の利益を追うのではなく、とにかく自分のできる何かを生かして、人の役に立ち続ける。これに尽きます。