Vol.19 仕事の基礎 欠かせない3つのスキル「対課題」「対自己」「対人」

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
仕事をするうえで 必要なチカラ=「仕事力」は、「スタンス」「トランスファラブルスキル」「テクニカルスキル」の、3つの層で構成されていると考えることができます (Vol.18参照)。まずは、仕事力の中核スキルである「トランスファラブルスキル」についてです。

仕事の「基礎体力」がトランスファラブルスキル

 トランスファ ラブルスキルとは、仕事をしていくうえで、その人が持っている専門知識や技術・技能を発揮して、仕事で成果をあげるために必要不可欠な、「基礎体力」のよ うなチカラです。会社、業界、地域などの境界を越え、「移動して(transfer)」、どこでも必ず活用できるスキルなので「トランスファラブル (transferable)スキル」と呼ばれます。

 トランスファラブルスキルの領域はとても広く、なかには、仕事をするために必要なチ カラというだけでなく、社会生活をしていく上で、欠かせないものがたくさん含まれています。礼儀やマナー、言葉遣いなどはその代表的なものですが、仕事が 社会生活の重要な要素であることを考えると、あたりまえだと言えますね。

 ここでは、仕事をすることに関連が深い、いくつかのチカラを、「対 課題スキル」「対自己スキル」「対人スキル」の、3つの領域に 分けて考えることにします。

 

対課題スキルは、段取りをして実行するチカラ

  実際に仕事を進めていく時の流れを考えてみてください。ほとんどの場合に、はじめに仕事に必要な情報を入手し、その情報をもとに、まず目標を設定します ね。その次にその目標を達成するための方法や、それに必要な時間やお金などの量を推し量ります。さらに、それらの多様な要素を整理して組み立てて、実際に 実行に移すための計画を立てるでしょう。最後に、その計画をもとに実際の活動を進めていきます。

 馴れた仕事であっても、私たちは無意識に 何らかの計画を自分の頭のなかに持っています。ベテランの職人は、朝一番で仕事に取りかかる時に、昼までにどの程度までその製品を仕上げることができるか を瞬時に判断し、それをもとに仕事の段取りを組んでいます。優れた営業担当者は、仕事のスケジュールを組み立て、それをもとに行動しながら、新しい情報が 入るごとに臨機応変に対応して高い成果をあげています。

 「対課題スキル」とは、このような「多様な情 報をもとに仕事の段取りを組み立て、推進する」スキルです。創業企業の人材に求められるものとして、ここでは「情報力」 「問題意識力」「課題力」「戦略力」「遂 行力」などをあげておきましょう。

 

いつでも自分を活かし続け る、対自己スキル

 仕事をする当事者の自分自身のチカラを、いつでも、どんな環境でも、周囲の信頼を獲得しながら、発揮し続けることがで きれば、仕事の質を高め、大きな成果をあげることができますね。これを実現するために、自分の内部に働きかけるスキルが「対自己スキル」。

  まず大切なのは、自分自身の価値基準をもとに主体的に仕事に取り組む「自律力」と「自立力」でしょう。さらに、環境の変化やストレスがあっても安定的にチ カラを発揮できるように、心の安定を保つ「自己コントロール力」は必須ですね。また、常にやる気を持ち続けるための「意 欲創出力」も大切です。

 

成果をあげるためによい人間関係を整 える、対人スキル

 仕事は独りではできません。個人事業主であっても、お客さんや協力者などの、他者の存在があるから仕事をすることがで きます。まして、企業などの組織に属して仕事をしていく際には、上司、同僚、部下、外部スタッフなど、日常的に仕事を共にする人が数多く存在します。

  「対人スキル」は単に、仕事を他者とうまくやっていくだけのスキルではありません。仕事で成果をあげ、それを継続して いくための、よりよい人的関係を創りあげていくためのスキルです。創業企業で求められる代表的なものとしては、他者を認め自らも認められる「相 互理解力」、多様なヒトのチカラをあわせて活かす「チーム形成力」、仕事を通じて共に成長をめざす 「共成力」、必要に応じて相手を動かす「交渉力」、などをあげておきたいと思いま す。

 

 トランスファラブルスキルのいくつかを、3つの領域ごとにあげてみました。次回からは、3領域を順番に取り上げて、 そのスキルを向上させるためのヒントを見つけていきましょう。

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