- 目次 -
中国はチャンスの宝庫
破竹の勢いで経済発展を続ける中国。最近の日本のメディアでは、日本経済の回復に関するニュースが多く、中国と言えばもっぱら政治、外交関係のと ころで出てくるのみとなっています。
しかし、日本のみなさんの目が中国経済からそれている間にも、中国は高度経済成長を続け、中国に進出している日本企業の中には「受注が多すぎて生 産が追いつかない~!」とうれしい悲鳴をあげている会社がたくさんあるのです。
そんな事実を「はるかかなたの外国の話、自分とは関係ない」と捉えるか、「急成長する中国に渡って、一旗あげたい!」と考えるかは、人それぞれで すが、起業を志すみなさんには、日本国内での起業と同時に、ぜひ、選択肢の一つとして「中国起業」を検討していただきたいと思います。なぜなら、中国は景 気がよいだけではなく、市場が未成熟であるため、私たち日本人が活躍できるチャンスが、その辺にごろごろ転がっているからです。
日本人が生み出す付加価値の源泉
日本は市場が成熟しています。かゆいところに手が届くようなモノやサービスがたくさんあります。この市場で、誰もが「その手があったか!」と、う なるような商品で起業をするのは至難の業です。
これに対し、中国の市場はまだまだ未成熟です。私が北京に来た10年前に比べれば、随分よくはなりましたが、それでもまだまだ安いけれど 品質の悪いモノや、ひどいサービスで溢れています。
私たち日本人は、子供の頃から品質の良いモノを使ったり、良質なサービスを受けて育ってきていますので、中国に来ると「なんなんだこれ は!」となります。この「なんなんだこれは!」がビジネスチャンスを見つける種になるのです。品質の悪いモノやひどいサービスを、日本のレベルまで引き上 げるだけで、そこに大きな付加価値が生まれるのです。
「中国で起業する」というと、「中国語も話せないし、中国の事情もわからないので、自分には無理だ」と思われるかもしれません。しか し、私たち日本人が中国ビジネスの世界で生み出す付加価値の源泉は、中国語を話せたり、中国の事情に詳しかったりすることではありません。中国語や中国の 事情については、いくらがんばっても本場中国の人たちにかなうわけがありません。日本人が生み出す付加価値の源泉は、日本人なら誰もが持っている「サービ ス精神」だったり、「完璧主義」だったり、「生真面目さ」だったりするのです。
写真:高層マンションと貧民窟
北京の近郊、東四環路近くの新興住宅地です。向こう側の高層マンションに住んでいる人と、手前の貧民窟に住んでいる人では、その収入に何十倍もの 差があります。高度経済成長によって、富める者はどんどん富み、貧しい者はどんどん貧しくなっていく。日本の比ではない「超格差社会」を迎えている今の中 国の縮図のような光景です。