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日本人は未来から来た「ドラえもん」
2008年には北京オリンピック、2010年には上海万博を控え、経済は絶好調。人々はマイホーム、マイカーを夢見てモーレツに働く。今の中国 は、私たち日本人が40年前に経験した高度経済成長期にそっくりです。
高度経済成長により人々が豊かになり、マイホームやマイカーも手に入れた後、人は次に何にカネを使うのか。こうしたことは、高度経済成長を経験済 みの私たち日本人には容易に想像することができますが、すべてが初体験の中国の人たちにとっては、それを予想するのは至難の業です。中国における私たち日 本人は、未来からタイムマシンに乗ってやって来た「ドラえもん」のような存在なのです。
子供の教育関連ビジネス
では、具体的にはどんなビジネスがブレイクしそうなのか。ちょっと考えただけでも、たくさんのアイデアが浮かんできます。
まず は、子供の教育関連ビジネス。日本でも高度経済成長期は、「教育ママ」とか「受験戦争」などという言葉が流行し、自分の子供を少しでも偏差値の高い学校に 入れるために、親は惜しみなくカネと時間と労力をつぎ込みました。
中国でも親の教育熱心ぶりは同じです。中国では特に、1979年から始まった一人っ子政策が続いていますので、ほとんどの家庭では子供は 1人。その1人の子供に、父親、母親に加えて4人の祖父母の計6人が、惜しみなくカネをつぎ込みますので、中国は日本と同様少子化傾向にはありますが、子 供の教育関連ビジネスではかなり大きなマーケットが見込めるのではないかと思われます。
日本企業ではベネッセコーポレーションが、幼児向けの通信教育教材「こどもチャレンジ」の中国語版を上海で発売しています。この「こども チャレンジ」、子供の年齢により4-5歳児用、5-6歳児用と分かれており、その年齢の子供に合った内容になっているのですが、3-4歳児には4-5歳児 用を、4-5歳児には5-6歳児用を与える親が多いそうです。こんなところからも中国の親たちの「教育ママ」ぶりがうかがえます。
外国人の教育ビジネスには厳しい規制が
ただ、日本人が中国で教育関連ビジネスをするに当たっては、かなり厳しい規制があることを覚悟しなければなりません。中国共産党にとって教育と は、国民の思想を統一するための一つの手段でもありますので、中国政府は外国人が勝手に学校を設立して、自国民に対して海外の邪悪な思想を教育するような 事態は避けたいと考えています。このため、地域にもよりますが、外国人による教育事業や学校の設立に関しては、なかなか認可が下りないようです。
日本人が中国で教育関連ビジネスをするとしたら、学校で教えるような形ではなく、「知育玩具を売る」とか、「頭がよくなるゲームソフトを 売る」なんていう方法の方がやりやすいかもしれません。
写真:双語 学校
双語学校(しゅあんゆぃーしゅえしゃお)とは、バイリンガルスクールのことで、授業は英語と中国語で行われます。双語学校によっては、月謝が普通 のサラリーマンの月給をはるかに超えているようなところもあるようですが、自分の子供を世界で通用する国際人に育てたい中国の親は、食費を切り詰めてでも 子供によい教育を受けさせるのです。