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増える中国語学習人口
最近、日本では中国語を勉強する人が増 えているそうです。中国の破竹の経済成長により、中国関連ビジネスを拡大している日本企業では、どこも社内の中国人材が不足、「中国語を話せる日本人」に 対する需要が高まるなか、中国語を習得しておけば就職や転職に有利、ということも、中国語学習人口の増加に拍車をかけているようです。
私 個人的には、ビジネスで使える中国語を習得したい人には、中国に留学することをおススメします。日本にも中国語を教える語学学校はたくさんあるのですが、 週1回数時間勉強しても、なかなかビジネスで使えるレベルにはなりません。
その点、中国に留学すれば、昼間はずっと授業ですし、学校が終 わった後や休日も、中国語を話さなければ生活が成り立ちませんので、いやでも中国語習得のスピードは上がります。
抜群の学習環境が中国語の習得を加速する
私が以前勤めていた丸紅の中国語研修制度は、1年目は 学校でみっちりと中国語を勉強し、2年目は北京事務所で実際に仕事をしてビジネス中国語に磨きをかける、というものです。私が見たところでは、まったく中 国語が話せない状態で北京に来た研修生も、1年間みっちり勉強すれば、なんとか仕事で使えるぐらいのレベルの中国語を習得できています。
私の場合は、研修なしでいきなり駐在だったのですが、それでも日常会話は約1年、中国企業との契約交渉ができるレベルのビジネス中国語は約3年でマスター することができました。それもこれも、外国人に対しても容赦なくノーマルスピードで話しかけてくる市場のおばちゃんや、行き先を一生懸命中国語で言ってい るのに、ちょっとでも発音が違うと何度でも「あ~?」と聞き返してくるタクシーの運転手さんなど、非常に厳しい先生たちのおかげなのです。
中国起業に中国語は必要か?
では、中国で起業をするためには、絶対に中国語を話せなければな らないか、というと、私はそうは思いません。もちろん、中国でビジネスをするに当たって、中国語は話せるに越したことはありませんが、優秀な中国人パート ナーや中国人従業員がいれば、中国語が話せなくても中国起業はできます。
中国で起業をすると、いくら中国語が上手でも外国人である日本人 には処理ができない問題が発生することが時々あります。また、日常の業務も中国企業や中国人が相手の仕事ならば、中国人従業員にやってもらった方が、ずっ とうまくいきます。そうした仕事は、中国人パートナーや中国人従業員に任せ、日本人は中国人にはマネのできない「サービス精神」、「完璧主義」、「生真面 目さ」などで会社の利益に貢献すべきだと思います。
日本人はいくら中国語を勉強しても、ネイティブである中国の人たちよりうまくなること はまずありませんよね。私たち日本人が中国で仕事をするに当たっては、中国語が上手に話せることよりも、中国の人たちがマネのできないものを持っていた り、中国の人たちが思いもよらないような発想ができることの方が、ずっと付加価値が高いのです。
写真:市場
私の家の近所にある市場 です。野菜や果物はスーパーでも売っているのですが、市場の方が値段が安く、モノも新鮮ですので、やはり市場で買うことが多いです。市場で野菜や果物を 売っているのは、北京近郊の農家のおばちゃんです。彼女たちは非常に話し好きで、外国人に対しても容赦なくノーマルスピードで話しかけてきますので、市場 で買物をすると、中国語のリスニングの力がつくのです。