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会社設立手続きは中国の人にお任せしましょう
中国で行うビジ ネスが決まり、信頼できる中国人パートナーも見つけたら、いよいよ中国で会社を設立することになります。
中国人パートナーがいる場合に は、会社登記手続はパートナーに任せてしまえばよいと思います。また、外国企業服務公司のような代行会社にお願いすれば、手数料こそ取られますが、必要な 書類さえそろえれば、すべての登記手続を代行してもらえます。私の場合は中国人従業員を1人雇って、彼女にすべての手続きをしてもらいました。
会社設立の手続きは中国の人が行った方が、ことがスムーズに運ぶと思われますので、その辺はパートナーや従業員に任せて、日本人は日本人にしかできない会 社設立準備に注力すべきかと思います。
具体的な会社設立手続
とは言え、自分の会社を作るのに、その会社設立手続をまったく知らない、というわけにもいきませんので、以下、簡単に具体的な会社設立手続を説明します。
まず、外国人が100%投資する独資企業、および、外国人と中国人が一緒に投資する合弁企業の場合、商務局の批准を受ける必要があります。
商務局の批准が下りると、次は工商行政管理局(工商局)に会社設立の申請をします。この申請が通って、営業許可証が交付されれば、晴れて会社設立完了で す。ここまででだいたい1カ月かかります。
しかし、営業許可証が交付された後も、実際に営業を始めるには、さらなる手続きが必要です。税 務局で税務登記をしたり、公安局指定のハンコ屋さんで会社印を作ってもらったり、銀行に口座を開いたり。こうした会社設立後の手続きが、また1カ月ぐらい かかります。
これらが完了すると、はれて営業開始、となります。
便 利な「投資服務大庁」
こうして見ていくと、中国での会社設立には、さまざまな官庁に出向く必要がありそうに思えます。しかし、一部の地 域には商務局、工商局、税務局など会社設立手続に必要な国家機関の窓口を一堂に集めた「投資服務大庁(とうずふーうーだーてぃん)」という場所がありま す。北京市朝陽区の「投資服務大庁」は、京広中心商務楼の2階にあります。
ここに行けば、すべての会社設立手続を1カ所で行うことができ ますし、会社設立のために作られた窓口ですので、国家機関に行ってたらい回しにあうこともありません。
中国起業の前に立ちふさがる高い最低資本金の壁
外国人の個人が中国で独資企業や合弁企業を設立 するに当たって、大きな壁となるのが最低資本金の高さです。外資が入った企業に対する最低資本金は、各地域によって違いますが、北京市ではもっとも低いコンサ ルティング会社でも、最低資本金は10万米ドルと高額です。
この最低資本金のハードルの高さは、個人で中国起業をしようとする外国人が少 ない原因の一つとなっています。
100%中国資本の内資企業については、最低資本金は10万元(150万円)からとハードルは比較的低い のですが、中国国籍を持った人しか法人代表になることはできませんし、発生した利益を外貨にして海外に送金することもできません。
この最 低資本金に関しては、地域や業種によっても違ってきますので、設立予定の地域を管轄する監督官庁に具体的な会社設立プランを持って、事前に相談に行くこと をお薦めします。
写真:投資服務大庁
北京市朝陽区の投資服務大庁です。京広中心商務楼の2階にあります。ここには、工商局、税務局など、すべての会社に関係する監督官庁の窓口のほかに、レス トランや美容室開店のために必要な衛生局、工場建設のために必要な環境保護局、タバコ屋さんを始めるのに必要な煙草専売局などの窓口もあります。投資服務 大庁は中国で会社を始める起業家にとっては、非常に便利でありがたい存在なのです。