中国で起業 Vol.16 中国起業の落とし穴(2)

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
中国ではお役人に 罵詈雑言を浴びせられる、などということは日常茶飯事ですが、それでも「お役人には絶対に逆らうな」が鉄則です。また、外国人である私たち日本人の弱みに つけこんで、カネをだまし取ろうとする詐欺師にも気をつけなければいけません。

お役人という落とし穴

 中国のお役所は大きな権限を持ってお り、非常に偉そうです。近年、中国でも法律が急速に整備されつつありますが、その法律の解釈はお役人しだいということもあり、お役人に睨まれれば、白いもの が黒くなってしまう可能性もあります。

 日本では「役人はパブリックサーバントである」という考え方が浸透してきており、お役所のサービス も年々良くなっているようですが、中国ではお役人に罵詈雑言を浴びせられるなどということは日常茶飯事です。それでも「お役人には絶対に逆らうな」が鉄則 です。お役人に逆らっても、悪いことは起こりこそすれ、よいことは絶対に起こりません。

 

お役人の対応は中国人パートナーに

 こうしたお役人の対応は、日本人の手に負えるものではありま せんし、もし、できたとしても偉くもなんともありません。こういう中国人同士の「あ、うん」の呼吸が必要となる仕事は信頼できる中国人パートナーに任せ て、日本人は日本人にしかできない仕事に注力すべきなのではないか、と思います。

 

詐 欺師という落とし穴

 外国人である私たち日本人が、中国で起業するには、ただでさえ多くの困難がつきまといます。そうした弱みにつけこん でカネをだまし取ろうとする輩がいることも事実です。

 特に、中国語を話せない日本人は、日本語を話せる中国人を手放しで信用する傾向があ ります。確かに、まったく言葉の通じない国で、日本語を使って意思の疎通ができる人が現れれば、地獄で仏に会ったように感じるのは無理もないことです。

  しかし、私は北京でいまだに、日本人が「資本金を預けたら、急に連絡が取れなくなった」とか、「中国人パートナーに会社を乗っ取られた」というような話 を、ときどき耳にします。

 中国人パートナーを選ぶ際には、身元のはっきりした人であることは当然として、本当に信頼できる人なのかどうか を、よくよく見極める必要があるのです。

 

だますつもりのない人にだまされる

  故意に人をだます詐欺師にだまされないようにするのは当たり前なのですが、中国にはだますつもりはないのに、結果的に人をだますことになっている人がたく さんいます。

 例えば、飲食店を開く際には、内装業者に店舗の内装を頼みますが、内装業者が「月末までにできる」と自信を持って請け負って も、それを信用して「来月1日開店」などという広告を打ってはいけません。月末になっても、内装が半分も終わっていない、などという状況も大いにありえま す。

 そこで内装業者に「おまえ、月末までにできると言ったじゃないか!」などと詰め寄っても、「あの時点ではできる予定だったが、その後 いろいろと事情が変わったので遅れるのは仕方がない」と開き直られるのがオチです。

 こうした事態を事前に防ぐためには、内装ができあがっ てから広告を打つ、ぐらいの余裕を持って対応することが大切なのです。 

 

釣魚台国賓館

 

写 真:釣魚台国賓館

中国の迎賓館、釣魚台国賓館の立派な門です。釣魚台国賓館は中国政府 が世界各国の国家元首を接待したり、6カ国協議を開催したりするときに使われます。中国の取引先がこの釣魚台国賓館で宴会を開いてくれたり、市内の移動に パトカーの先導を付けてくれたりすると「この会社はものすごい実力があるのではないか」と勘違いしてしまう日本人が多いのですが、実際はちょっとしたコネ とカネがあれば、誰でもわりと簡単に手配ができてしまうようです。中国企業とお付き合いをする際には、そうした「こけおどし」にだまされないように気をつ けなければいけません。

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