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外国投資企業と所得税
生産型でない外国投資企業(独資、合 作、合併企業)、または中国本土で支店などを設置して営業活動をしている企業は、30%の外国企業所得税と3%の地方所得税を納税します。支店などがなく ても、中国本土で株式の配当金や貸付金利息、特許使用料などの所得がある者は20%の所得税を納めなければなりませんが、上海では10%の税率まで免除さ れます。加えて、一定の資金や設備条件が優良な企業もしくは譲渡される技術が先進的であれば、上海市政府の許可を条件に、所得税が免除されることもありま す。
生産型の企業で、開発区を除く上海の一般地域に本店のある企業の所得税は24%、浦東新区および各経済技術開発区にある企業の所得税 は15%です。都市のインフラ施設の建設に携わった、社歴が15年以上ある外国投資企業にはさらなる恩恵があります:所得が発生した年度以降の5年間の企 業所得税が免除され、6年目以降の5年間の所得税が半減されます。
中国 の増値税、消費税、営業税、その他の税
増地税
日本の消費税に相当するもの。中国国内で物品を販売、加工、役務 の提供もしくは輸入する事業者と個人は、増地税(基本税率は17%)を納付する義務を負います。食糧、食用植物油、水道水、飼料、化学肥料、農薬、農機具 など一定の品物に対する税率は13%です。
消費税
日本の物品税に相当するもの。タバコ、酒およびアルコール、化 粧品、ゴルフおよび関連用具、割り箸、宝石、ガソリン、乗用車など十数種類の一定製品の生産、委託加工、輸入などの行為に対し課税されます。消費税の徴収 は、価格によるノルマ制と税率制の二つに分けられます。
営業税
交通運輸、郵便および通信、金融保険、建築、娯 楽、サービスなどの業務を取り扱う、あるいは無形資産を譲渡する、または不動産を譲渡する事業者と個人に対して課税されます。税率は3%もしくは5%が基 本ですが、娯楽産業の税率は10%もしくは15%となります。
印紙税
仕入販売、加工、下請、資産の賃貸、貨物の 運輸、貸付などの契約や財産権変更書類、営業帳簿、権利許可書などがあれば、印紙税を納付することになります。税率は0.5/10000から1/1000 までです。権利許可書と営業帳簿(資金帳簿を除く)は1回につき5元を納めます。
土地不動産税
売買価格の原価か ら20%を差し引いた残額を課税標準とし、一年間で1.2%の税率で徴収されます。外商投資企業は、浦東新区および経済技術開発区で自社ビルの建設もしく は購入したときは、竣工もしくは購入月から5年分の不動産税が免除されます。
不動産取得税
土地の使用権や家屋の 所有権を譲渡する場合に、取得者が負担します。譲渡の具体例は下記のとおりです。
(1) 国有地の譲渡で、農村集団土地請負経営権の譲渡を含まない
(2) 土地使用権の譲渡で、売買、贈与、交換を含む
(3) 家屋の売買
(4) 家屋の贈与
(5) 家屋の交換
不動産取得税の税率は3%から5%であり、各 省、民族自治区、直轄市の人民政府が各地域の事情を考慮して決定します。
合 併、合作、独資企業の設立プロセス
(1) 工商行政管理局にて商号調査
(2) フィージビリィティスタディ(F/S)の作成
(3) 契約書、定款、FS報告書の提出
(4) 登録コードの受領
(5) 批准証書の受領
(6) 営業許可書の受領
注意:独資企業の設立は、一定の資格を持つコンサルティング会社および 代理機構に手続きを依頼しなければなりません。
これからの上海ビジネスの 鍵は?
2010年までにGDPを3500億元、さらに二桁成長を保ち、第3次産業の生産総額比率を50%以上に引き上げるのが上海の経 済目標です。上海の富裕層は、日本とは桁違いの購買力を持ちますが、彼らがもつ目はとてもシビアです。「本物」だけでは、財布の紐は緩みません。今の中国 に一番必要とされている付加価値、サービスがなければ購買まで進まないのが現実です。ニューリッチといわれる次世代の若者も、しっかりその血を引き継いで います。
上海市がこれから積極的に誘致活動を行い、外資企業が優遇される分野は、金融・専門仲介サービス・物流・展示観光・商業貿易・文化メ ディアです。これらの付加価値を既存の商品とどのように融合するか、上海での成功の鍵はそこにあります。
(参考文献: 「2006-2007浦東新区投資ガイド」)